ネオ意地悪ばあさん、現る
──夜の部で「はや朝」の3人がゲストだったから、そのインパクトがまだ強く残ってますけど、昼の部は昼の部で、けっこうダークな話をしてましたよね。
ヒャダ お菓子(*)の話ですか?
*昼の部で、あるお菓子をみんなで食べる場面で、その味が口に合わなかったヒャダインが、京都弁で皮肉を言い続けるくだりがあった。
久保 いや本当に、お菓子を食べるだけであんなになるなんて思わなかったですよ。
ヒャダ 僕もそんなつもりじゃなかったんですが……あれは事故ですね。
能町 まさかあんなところで京都人が出るなんて。
久保 「給食だって嫌いなものはない」と言ってたのに。
ヒャダ 「それとはちょっと話ちゃいますやん? 美味しいとかまずいとか、そういう話と違いますやろ。なんか体が受け付けへんっていうかね、むずかしゅうて」
能町 ムカつくーっ(笑)。
ヒャダ 「うちかてね、食べられたらほんまにいいのにねえ」。
久保 お菓子でここまで言う人、なかなか探せないよ。
ヒャダ 「ひとくち食べたときに、あーこれはちょっと、そういう風味のね、そういう香料を付けた何かやなあ思て」。
久保 止まらない(笑)。
──お菓子ひとつでこんなに話芸が花開くなんて。
久保 ひゃっくん、本当に新しい扉が開いたよ。6月のライブで上映されるんですけど、久保みねヒャダでグアム旅行に行ったんですよ。で、バスに乗って移動してるときに、急にすっごいうるさいバイクが通ったんです。そしたらひゃっくんが……。
能町 「家族旅行なのに怒り出すお父さん」みたいになって。
ヒャダ 「**********(とても口汚い大阪弁)、あほんだらぁ!」って。
能町 (大阪のおばちゃん発動)「やめてお父さん、子供が聞いとんのやで!」
久保 「お父さんやめて〜(泣)、いつものお父さんにもどって〜!」
能町 「お父さんと旅行行くと、いつもこうや。もうお父さんと絶対旅行行かへん!」
久保 その後、バイクが通ったら、また始まって。その後にもバイクが通ったらまたまた始まって。あのシーン面白かった。普段はあんまり見えないけど、やっぱり関西のソウル、ひゃっくんの中にちゃんと眠ってるんですね。前よりも関西のソウルを引き出せるようになった気がする。
ヒャダ 特に京都はなかったですね。自分でやってみて、「けっこういけず言えるな」と思いました。
久保 あの扉は今日のチョコ菓子が開いてくれたの? それとも前からあった?
ヒャダ 最近なんですよ。京都人でYouTuberやってる芸人さんがいるんですけど、それ見てたら「これ自分もできるんじゃないか」と思い始めて。
能町 そんなに山ほど嫌味を言うんですか?
ヒャダ 言います。長谷川大祐(だいすけ)さんという方で、「おはせさん」と言われてるんですけど。ちょっと見てみますか?
(みんなで「攻撃力全振り京都人〜列に割り込まれた〜」の動画を見る)
おはせさん 「今ここ急に入ってきゃはったけど、アレ? おトイレでも行ってはったぁ? いや〜その割にはねぇ……長い事並ばしてもろてるけど〜並んではった時、見てないなぁおもてんやけど、アレ? えらおっきいの出してきゃはった?」
久保 これはいいですね(笑)。
ヒャダ ストレートに言わずに、いけずを言う。基本「相手を褒める」ってことですよね。「おたくのピアノ、上手にならはりましたねぇ」と褒めて……。
能町 「うるさい」ってことですね。
ヒャダ 形としては相手を褒めて自分を落とすという。「自分みたいなほんま田舎で育った人間にはようわかりませんわ。ごめんなさいね。田舎もんで」みたいな。
能町 (京都弁で)「綺麗な演奏も汚い演奏もわからへんからね。もう全部うるそう聞こえて」
ヒャダ そこで「うるさい」とか言っちゃだめなんです。
能町 言っちゃだめなんだ。難しいな。
ヒャダ 「いい演奏も悪い演奏もわからへん耳やさかいに。ほんまにね、もうせっかくいい演奏してもらってるのに申し訳ないわー」
久保 全然なってほしくないおばあさん像!
一同 (笑)
久保 申し訳ないけど貴理ちゃんと真逆だわ。「ネオいじわるばあさん・京都編」みたいな(笑)。
ヒャダ 絶対に直接的に「うるさい」とか言わないんです。言わないことに矜持を感じてるから。
久保 ひゃっくん、「令和の意地悪ばあさん」として蘇ってほしい。コメンテーターとしてそれをやってほしいですね。天下取れるよ。
──新しい形のフリースタイルにも見えますね。
久保 そうだ、フリースタイルだ!
──言葉の上ではディスってるわけじゃなく、褒めてるんだけど……。
ヒャダ 「さっき全然韻踏めてなかったけど、それはね、韻を踏まないという新しいスタイルなのかもしれませんね。尊敬しますわ〜、その程度のレベルでやらはって」
久保 やばい。京都の人をつかまえてやってもらいたい。
ヒャダ 僕強いですよ、たぶん。
久保 おきばりやす〜。

【書籍情報】
「久保みねヒャダこじらせブロス」時代の連載が書籍化!
(通常版はこちら↓)
久保ミツロウ・能町みね子・ヒャダイン
「カウンセリングするつもりじゃなかった~久保みねヒャダこじらせ雑談~」(扶桑社)
通常版:2,200円
(限定版はこちら↓)
限定付録付き特別定価版:3,080円(「こじらせ日めくり格言」付き)
漫画、文筆業、音楽と、それぞれのジャンルで活躍中の3人。そんな中年期を迎えた3人が、依存症、ネット、創作活動、コミュニケーション、結婚、死生観……などなど、時事ニュースや人生の諸問題、たわいのない日々の悩みについて語り合います。
ただの雑談が、いつの間にかお互いのカウンセリングになってしまっている⁉
きっと誰かに話したくなるネタが詰まった一冊です。
【ライブ情報】
有観客ライブでの開催
『久保みねヒャダこじらせライブ』
開催日:2025年6月7日(土)
会場:お台場特設会場(フジテレビ湾岸スタジオ内)
昼公演:13:00開演/久保みねヒャダ グァム旅解禁SP
夜公演:16:30開演/【ゲスト】上垣皓太朗アナウンサー
チケット情報の詳細は番組HPを参照。
【番組情報】
ほぼ隔週で放送中
『久保みねヒャダこじらせナイト』
次回放送:6月7日(土)フジテレビ⚫︎深夜2:45〜3:15
ゲスト:「はやく起きた朝は…」松居直美、磯野貴理子、森尾由美