読売333(さんさんさん)の視点

「世界経済の枠組みが変わろうとしているなか、日本国内のものづくりは再評価される可能性がある。中堅企業を含めて、日本の会社が今どういう動きをしているのかを如実に表す指標は重要になる」=加谷氏

「金融商品を開発する我々も、商品の意図や考え方を投資家に伝える活動を続けてきた。世界の株式に対して、簡単に分散投資できる投資信託を作ってほしいという依頼が多く寄せられたため、それに応えた」=代田氏

飯塚世界と日本の経済が変わろうとするなか、新しい株価指数、読売株価指数(読売333)が今年3月、公表されました。日本の株価指数としては、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)が知られます。第1世代の日経平均株価は株価の高い企業の値動きを、第2世代のTOPIXは時価総額の大きい企業の値動きをそれぞれ反映しやすい特徴があります。

第3世代の読売333は「等ウェート」と呼ばれる算出方法を用います。構成する333社の値動きをほぼ等しく反映する仕組みで、大企業や特定の業種の値動きに左右されにくい。成熟した大企業の動きを重視する株価指数より、成長の余地が大きい企業の動きを反映しやすいと言えるでしょう。等ウェート型の株価指数は、長い目で見ると、パフォーマンスが上がっていくことが期待されます。

読売333は、東京以外に本社を置く企業の銘柄を100社以上採用しています。地方企業や中堅企業を含めて、日本経済全体の動きを把握しやすい指数という認識が投資家の皆さんの間に広まれば、日本経済を底上げする機運はさらに高まると思います。ゲストの代田さんは「グローバルに活動している大企業に対して、国内中心にビジネスをしている中堅企業は少なくない。トランプ関税のような局面では、内需中心の企業の方が影響は少ない」と指摘しました。加谷さんも「積み立てしながら、ゆっくり資産形成をしたい人たちにとって、読売333は大事な指標になる」との見方を示しました。今回の放送は視聴者の反響が大きく、驚きました。それぞれの投資の目的に合わせ、株価指数や金融商品の理解を深めることが大事だと感じます。

台湾・頼総統「粘り強く中国の脅威に対抗」©️日本テレビ
日本株「株式指数」に新たな選択肢©️日本テレビ

吉田個別企業への株式投資より、リスクは低いとされる金融商品に投資信託があります。代田さんは、世界の株式に分散投資する人気投信、通称「オルカン」の「生みの親」です。代田さんは「株価が大きく下落した4月も、お金の出入りを見ると、売却せずに投資を継続した人は多かった」と述べました。長期投資を実践する人たちは育ってきており、短期的な株価の上下を冷静に見極めようとしているようです。会社の成長を長期的に見てほしいという企業も多いでしょうし、投資する人のニーズに応じた金融商品を増やす必要があると思います。

台湾・頼総統「粘り強く中国の脅威に対抗」©️日本テレビ
[課題]貯蓄から投資へ「資産運用立国」実現は©️日本テレビ
解説者のプロフィール

飯塚恵子/いいづか・けいこ
読売新聞編集委員

東京都出身。上智大学外国語学部英語学科卒業。1987年読売新聞社入社。 政治部次長、 論説委員、アメリカ総局長、国際部長などを経て現職。

 

吉田清久 読売新聞編集委員

吉田清久/よしだ・きよひさ
読売新聞編集委員

1961年生まれ。石川県出身。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。1987年読売新聞社入社。東北総局、政治部次長、 医療部長などを経て現職。

 
 

提供:読売新聞