世界のリーダーが生まれる場所で

南魚沼での2年間で養ったグローバルな視点と多様性

田代和也
ルミネ 取締役 財務部長
たしろ かずや 大学卒業後、JR東日本入社。同社の国際大学への企業派遣者第一号としてファイナンスや会計学を学び、1999年に修了。現在はルミネにて財務業務全般を担う
木村真理
JR東日本
きむら まり 大学卒業後、JR東日本に入社し、社内公募により国際大学へ。2023年にMBAプログラムを修了。現在はマーケティング本部でJRE POINT関連の業務を担当する

社会のグローバル化が進むなか、企業にもダイバーシティ(多様性)への取り組みや視点が求められています。そうした企業の一つであるJR東日本から派遣され、大学院大学である国際大学を修了した木村真理さんと田代和也さん。世代の異なるお二人が得た学びや出会いについて語り合います

異なる業界の仲間と
ともに学ぶ喜び

田代 私は1997年、JR東日本から派遣される第1期生として新潟県南魚沼市にある国際大学に入学しました。その後もJR東日本からは20数名の後輩が同大学で学んでいて、年に1回ほど交流会も開いています。木村さんとも確か、そこでお会いしていますよね。

木村 はい、2023年に卒業した翌年に参加させていただきました。幹事役の田代さんを始め、年齢も職場も違って普段は接点のない皆さんと「国際大学のOB・OG」というご縁でフラットにお話しできるのは、とてもありがたい機会でした。

田代 授業や教科書はすべて英語、クラスメートの多くも留学生という環境で苦労して勉強した経験は皆さん共通しているので、会話も弾みます。(笑)

木村 田代さんは、どのようなきっかけで入学されたのですか。

田代 私の場合はJR東日本の東京地域本社法務課にいたときに、人事部から打診を受けました。以前から「機会があれば海外で学んでみたい」と考えていたので、それに近い環境で学べる国際大学に魅力を感じたのです。

木村 現在は公募制になっていて、まず社内での書類選考と面接に通ってから、大学の入学試験を受ける流れです。私は入社後に駅係員と乗務員という現場の仕事を経験し、「そろそろキャリアの転換期かな」と考えていたときに、公募のことを知って。ビッグデータから有益な情報を引き出すデータ分析に興味があったことと、ビジネスの場で使える英語を学びたいということで入学を希望しました。

田代 社会に出てから、「自分に必要な知識やスキルはこれだ」と実感したことを集中して学べるのは、国際大学の大きなメリットですね。私は「会社の経営状態を数字で正しく判断できるようになりたい」と考えていたので、履修科目では財務諸表の読み解き方や、国際税法、M&A(企業の合併・買収)といった分野を選択して学びました。それは現在の、ルミネ取締役財務部長としての業務にも生かされていると感じますね。

木村 私はIT専攻だったのですが、同級生には金融やメーカー、インフラまで幅広い企業の方がいました。また留学生には国家機関などで実際にデータ分析に携わってきた人が多く、非常に刺激を受けました。特にデータ分析の結果をどうビジネスに結びつけていくか、ほかの業界の方から話をうかがえたことは、今につながる貴重な体験だったと思います。

学生たちと声をかけ合い、夏は登山、冬はスキーを楽しんだという木村さん(写真提供◎木村さん)

田代 授業はグループワークが中心ですし、全寮制なので仲間意識も生まれやすい。テキストの内容が高度で授業だけではわからないときなど、その分野に詳しい人が「夜に集まれる人は、教室に集合」と声をかけて補講を開いてくれるのです。会計士の勉強をした人、金融機関出身の人などが先生役になってくれたので、非常に助かったのを覚えています。

日本人の強みを見つけ
磨いていける

木村 私は入学当時、英語の面で苦労しました。イントネーションが独特な留学生の英語を聞き取ることも、自分から話すこともうまくできなくて。でもあるとき、「大事なのは内容で、それがしっかり伝わればいいのだ」と気づいてから気持ちが楽になり、発言も積極的にできるようになりました。

田代 性格も変わりましたか?

木村 どちらかというと、「今のままでいいのだ」と(笑)。周りと同じように強くならねばと思った時期もありますが、むしろ「日本人としての強みは何だろう」と考える毎日でした。誠意をもって物事にあたる。押しは弱くても、論理的に考えて真摯に伝えていく。そうした自分の持つ強みを磨いていくことが、多様な人々が個性を発揮する環境では大切だと実感できました。

田代 授業だけでなく、日々の生活でも日本人はわりと頼りにされますよね。地元の店で買い物をする、車で近隣の山へ遊びに行くといったときも、留学生だけでは難しいことが多いですから。しかし国籍や文化が違えば、大なり小なり摩擦が起きる。(笑)

木村 私も学生団体の渉外係として、地元のウォーキングイベントに学生を募って参加する役割などを担いましたが、時間通りに人が集まらないのは当たり前(笑)。そうした細かなトラブルの調整役として、ずいぶん鍛えられたと思います。

田代 海外だと、日本人留学生が最初からリーダーシップをとることは難しいケースが多いでしょう。けれど国際大学では、日本人が否応なく前に出なければならない。先ほど木村さんがおっしゃったように、日本人としての強みを生かしつつ、グローバルな感覚でリーダーシップを身につけるには、最高の環境ではないでしょうか。

1999年、各国からの留学生たちと修了式に臨む田代さん(写真提供◎田代さん)

卒業後も続く
友人とのつながり

木村 私が入学する前年から、アグリカルチャー部という部活が大学の敷地の一角を借りてトマトの栽培を始めました。いずれは道の駅で売ったり、地元のレストランに卸せないか、マーケティング戦略を含めて部のメンバーと話し合ったのもいい思い出です。

田代 国際大学ブランドのトマトとは、面白い試みですね。

木村 つねに何か新しい挑戦をしていたいというのが、2年間の学びを経験してからの私の目標です。現在は新しい事業の構築等にも携わっていますが、データ分析の知識も生かし、お客さまが本当に求めるサービスをお届けできたらと考えています。

田代 頼もしいですね。JRはもともと男性が圧倒的に多い職場でしたが、現在はグループ全体で女性が活躍することで、多様な価値観が生まれていると感じます。たとえばルミネでは、育児休暇の取得率が男女ともに100%です。特に男性が取得すると、「育児や家事の大変さがわかった」ことで、ほかの社員が家庭の事情で早退したり休んだりすることを「お互いさまだ」と考える人が確実に増えてきました。

木村 異なった視点を持つ人が増えることの大切さが、伝わるお話ですね。

田代 国際大学の同期とは30年近く経った今も顔を合わせる機会があります。先日もノルウェーからの留学生だった女性が、「息子が日本に留学するので住まいの下見に」と来日したことがありました。海外で活躍する友人の話を聞くのも楽しいですが、会社員の先輩である年齢の人たちがリタイアの時期を迎えて、「中小企業診断士の資格を取った」と個人の名刺をくれたり、「地元の鎌倉でボランティアガイドをしている」といった話を聞いたりすると、非常に刺激を受けます。自分も仕事で身につけた知識のおさらいとして、何か資格の勉強をしたいというのが今後の目標ですね。

木村 学ぶ意欲もそうですが、仕事とは別の友人関係を結べるということも素敵だなと感じました。昨年の秋に国際大学を修了した後輩が同じ部署に配属されたので、次の交流会に誘ってみたいと思います。

田代 ぜひそうしてください。お待ちしています。

南魚沼市
ふるさと納税制度による
国際大学へのご支援のお願い

国際大学は南魚沼市と提携し、ふるさと納税を活用した留学生支援を行っています。ふるさと納税のサイトで、南魚沼市の返礼品を申し込む際、「寄付金の使い道」に「国際大学の応援と交流の推進」を選ぶと、国際化推進活動資金助成として国際大学に納税額の約4割が交付され、奨学金の拡充などによる留学生が日本で学びやすい環境整備に活用されます

応募方法
  1. QRコードから「ふるさと納税ポータルサイト」に接続
    https://www.city.minamiuonuma.niigata.jp/shisei/kaikaku/zaisei/furusatonouzei/

     
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  2. 「南魚沼産コシヒカリ」や「極上の日本酒」など、お好きな「返礼品」を申し込む

  3. 「寄付金の使い道」で「国際大学の応援と交流の推進」を選択してください

※南魚沼市在住の方には返礼品の贈答はありません

●お問い合わせ/学校法人 国際大学
☎025・779・1101