新作ミュージカル
怪人と探偵

9月14~29日/神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホール
原案/江戸川乱歩 作・作詞・楽曲プロデュース/森雪之丞
テーマ音楽/東京スカパラダイスオーケストラ 作曲/杉本雄治(WEAVER)
音楽監督/島健
演出/白井晃
出演/中川晃教、加藤和樹、大原櫻子、
水田航生、フランク莉奈、今拓哉、樹里咲穂、高橋由美子、六角精児ほか
☎03・3477・5858(パルコステージ) ※兵庫公演あり

光と影、相対する2人の華麗な対決!

怪盗・怪人二十面相と探偵・明智小五郎といえば、江戸川乱歩が生んだあまりにも有名なキャラクター。子どもの頃、彼らが活躍する冒険物語にワクワクした人も多いことだろう。そんな2人を主人公にしたミュージカルが誕生する。昭和のモダンな街を舞台に、二十面相と明智の「世界で一番綺麗な宝石」をめぐる華麗な対決を描いたオリジナル作品だ。「少年探偵団」シリーズなど乱歩作品でお馴染みのキャラクターも、多数登場するという。

「江戸川乱歩を題材にしたオリジナルミュージカルを創りたい」と、KAAT神奈川芸術劇場芸術監督の白井晃を口説いたのが、日本を代表する作詞家で、ミュージカル界での活躍も目覚ましい森雪之丞。白井が「その手があったか!」と快諾してから5年。このたび森による作・作詞・楽曲プロデュース、白井の演出で上演が実現した。テーマ音楽は、東京スカパラダイスオーケストラが書き下ろす。

出演には、ミュージカル界の実力派スターが揃った。二十面相は『ジャージー・ボーイズ』のハイトーンボイスが忘れがたい中川晃教、そして明智は『タイタニック』など大型作品の主演が続く加藤和樹。ヒロインの令嬢・リリカには『リトル・ヴォイス』などで次世代の歌姫として注目を集める大原櫻子が入り、水田航生が大人になった小林少年を演じる。

昭和34年(1959年)東京・麻布、北小路家の令嬢・リリカと財閥の御曹司・竜太郎の婚約発表の日。華やかな仮面舞踏会のさなか、大広間の柱時計に「3日後10時、北小路家の家宝『パンドーラの翼』を頂戴する」という怪人二十面相からの犯行予告状が貼りつけられた。犯行阻止のため明智小五郎が招かれるが、リリカは明智の顔を一目見てショックを受け、明智も動揺を隠せない。そして10時の鐘の音と同時に二十面相が現れて……。

森によると、怪人と明智は「光と影」「情熱と沈着」「悪徳と正義」「欲望と理性」といった、相対するモノすべての比喩。その2人のどちらが宝石、すなわち「愛」を獲得するのか……。乱歩作品へのオマージュをちりばめたエンターテインメントが見られそうだ。

 

 

 

DULL-COLORED POP vol.20
福島三部作 一挙上演

8月8~28日/東京・東京芸術劇場 シアターイースト
作・演出/谷賢一
出演/東谷英人、井上裕朗、大原研二、塚越健一、
百花亜希(以上DULL-COLORED POP)ほか
☎050・5579・6089(DULL-COLORED POP)
※大阪、福島公演あり。上演詳細は問い合わせを

DULL-COLORED POP主宰・谷賢一の母は福島生まれ、父は原発の技術者だった。自身も幼少期を福島で過ごした谷が、原発誘致から震災までの福島の歴史を三部作で劇化し、一挙上演する。綿密な取材を経て書き上げた、双葉町の3世代、3家族を中心とした物語だ。

第一部『1961年:夜に昇る太陽』は、住民たちが原発誘致を決定するまでの数日間。第二部『1986年:メビウスの輪』は福島第一原発稼働から15年後、チェルノブイリ原発事故が発生した年の、反対派・元リーダーの苦悩。第三部『2011年:語られたがる言葉たち』では報道現場を舞台に、震災のさなかの混乱が描かれる。

 

 

 
 

風姿花伝プロデュースvol.6
終夜

9月29日~10月27日/東京・シアター風姿花伝
作/ラーシュ・ノレーン 翻訳/岩切正一郎、ヘレンハルメ美穂 
演出/上村聡史
出演/岡本健一、栗田桃子、斉藤直樹、那須佐代子
☎03・3954・3355(シアター風姿花伝)

客席数100ほどのシアター風姿花伝は、舞台まで数メートルの至近距離で芝居を堪能できると評判の劇場。とくに2014年から年に1回のペースで上演している劇場プロデュース公演は、質の高さと現代性で観客に愛されてきた。

6回目の今回は、演劇賞を多数受賞した第1弾『ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる』の作者、スウェーデンのラーシュ・ノレーンの作品が再登場。1983年発表の野心作を上演する。霧が街を包む夜、母の火葬を終え帰宅した精神科医と妻のもとに、不仲な弟とその妻が訪れる。終夜、母の遺灰を前に4人が語り明かす……。岡本健一ら出演者の息づかいを間近に感じたい。