時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは北海道の60代の方からのお便り。日頃からその時々の思いを手紙で伝えているというMYさん。その理由は――。
手紙で思いを伝えたい
手紙を書く人が少なくなっていると感じる。昨今はメールやSNSでのやりとりのほうが増えたのだろう。年賀状に「今年限りでやめます」と記す人も。年齢とともに「交際範囲を狭めよう」という考えもあるのかもしれない。
私は日頃から、女友達や娘に近況やその時々の思いを手紙で伝えている。凍てつく寒い日は路面が凍る。年をとったり、大病を経験したりするとポストまでの道のりが遠く感じる人もいるだろう。そんな相手に返事を強いる可能性を思うと、ペンを持つのをためらわれる。
でも、友人から届いた手紙の封を開けると、何となく暮らしのにおいを感じられて懐かしい気持ちになる。封書でもはがきでも気持ちは伝わってくる。
息子にも何回か便りを出したが一度も返事は来ない。手紙の言葉でしか伝わらないものがあると思うのだけれど……。
手紙のよさは、わかる人には伝わるはずと思っている。