キャッチフレーズは「バスタブはもう、こすりません!」。本体容器は一度で広範囲に噴霧できるスプレーを採用し、使い心地にも目配りしている(写真提供◎LION)
専門家が独自の目線で選ぶ「時代を表すキーワード」。今回は、マーケティングライターの牛窪恵さんが、「お風呂の時短洗剤」を解説します。

大ヒットしたのには理由がある

令和初の年末まで、残り3ヵ月を切った。気の早い人は、「大掃除をどうしよう」と考え始めているかもしれない。

掃除といえば、2019年上半期のヒット商品が、「時短」がテーマの浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」(LION)だ。発売開始から約1年で、総売上げ個数が1800万個を突破した。

実は昨年、私も同製品の新商品発表会で講演させてもらった。そのとき開発担当者から聞いて驚いたのが、「あまりに忙しく、夜ゆっくりトイレに行く暇もない女性が大勢いる」との調査結果。そんななか、同商品は「浴槽全体に洗剤を噴霧し、60秒後シャワーで流せばOK」という新方式で人気を集めたのだ。

支持された理由は、おもに2つだろう。1つは、浴槽を何分もかけてこすり洗いしなくていいこと。そしてもう1つは、かがむ必要がないため腰に負担がかからないことだ。

実際どれぐらい負担が減るのか。LIONは、青山学院大学と共同で、ある実験を行った。20人超のモニターの両腕・両脚に筋電位計を付けて浴槽を掃除してもらい、筋活動量を測定。またその後、掃除をしたときに感じた感覚を、アンケートで回答してもらった。

すると、先の「時短」洗剤を用いてこすり洗いをしなかった場合、筋活動量は一般的な洗剤使用時より約3分の1に低減。身体的な負担が軽いと言えそうだ。また精神的な負担も少なく、掃除後の「快適性」「活力」の感覚が有意に高かったという。

LION広報の土岐育子さんいわく、「シニアや腰痛もちの方、妊婦さんから『浴槽掃除がラクになった』との声が届きます」とのこと。

年末に備えて、心身の負担を減らすために、頼もしい「助っ人」の力を借りてみては?