身の丈に合った暮らし

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「身の丈に合った生活でいいの。あたしは、贅沢はしなくていいから」

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栄子さんは何度も「身の丈に合った暮らし」という表現を使いました。稼げる範囲で、体を壊さない程度に働いて、その収入に見合うような、「身の丈にあった」生活をする。贅沢は要らない、満ち足りた生活ができれば、それでいい、と。栄子さんの潔い生き方は、まるでシングル女子の鑑ですね。

自分で自分の身始末をして、多くを望まず、贅沢を好まず、人様に奉仕する。――煩悩まみれのモトザワにはハードルが高くて、とうてい真似できそうもありません。それどころか、真似できないダメな自分が責められているような気すらして、妙に落ち着きません、苦笑。

せめて私も、「実家の墓じまい」「年金受給年齢の後ろ倒しの検討」「身の丈に合った暮らしの確認」と「支出の削減」くらいは、今一度、真剣に考えてみます。でもまずは、里親のNGOですかね。さっそく調べます!(免罪符じゃないですよ)

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