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特定のプロジェクトに対して、オンラインで手軽に支援できる「クラウドファンディング(クラファン)」。支援を行うことでモノやサービスなどの対価(リターン)を受け取ることができたり、社会貢献できたりするのがメリットです。一方、クラファンを巡ってはたびたびトラブルも報告されているため、支援する前によく確認しておくことが大切です。クラファンの種類や支援を行うための手順、注意点についてまとめました。
この記事の目次
クラファンって?
支援を行うには? 支援するときに注意したいことは?

クラファンって?

クラウドファンディング(以降クラファン)とは、何らかのプロジェクトを進めるにあたって必要となる資金を、賛同者から集めることをいいます。

<クラファンの種類>

・購入型

支援の対価(リターン)としてモノやサービスを得ることができます。

購入型クラファンでは生活雑貨や化粧品、ファッションアイテムなど日常使いするものをリターンにしているプロジェクトが多く、また新商品や新サービスを一足先に試せる場合もあるため、クラファンの中でも特に人気が高いとされています。

・寄付型

被災地支援や途上国支援などのプロジェクトに寄付することができます。

支援することによるリターンは得られない場合が多いですが、プロジェクトによっては、支援後に手紙やメールによる活動報告を受け取れたり、記念品などをもらえたりすることがあります。

・融資型

「ソーシャルレンディング」とも呼び、個人投資家から小口で集めた資金を大口化し、企業への融資が行われます。支援することで金銭的なリターン(利息)を得られるのが特徴です。

・投資型

株式会社が個人投資家に未公開株を販売し、資金調達をするというものです。ただし投資金額には制限があり、企業側が資金調達できる額は年間1億円未満、投資家が投資できる額は1社につき50万円までとなっています。

一般によく知られているのは、購入型と寄付型の2種類です。多くは「リターンとして得られるモノやサービスを試したい」「プロジェクトやその立案者を支援したい」といった目的で支援が行われています。

<話題になったクラファンの例>

・国立科学博物館(2023年)

光熱費などの高騰により、動植物や化石など500万点以上に上るコレクションを収集・保管する資金が不足しているとしてクラファンを実施。支援者に向けて、国立科学博物館オリジナルの図鑑や標本、3Dレプリカなど40種類以上のリターンが用意され、大きな話題となった。最終的には5万6000人余りから、目標金額の1億円をはるかに上回るおよそ9億2000万円の支援が寄せられている。

・のとじま水族館(2024年)

能登半島地震により被災した生き物たちの生活の質を維持するためや、施設職員の負担軽減のための活動に充てるべく支援を募った。リターンには、支援に対するお礼のメールや活動報告レポート、オリジナルステッカーなどが設定された。5月5日に募集が終了し、目標金額の500万円に対して3000万円以上の支援が寄せられた。

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