「スマート宅配ポスト」のボックス容量は、2Lのペットボトル6本入りが2ケース収まるサイズ(重さ30kgまで)。別売のホームユニットを使用すれば、スマホと連携できる(写真提供◎LIXIL)
専門家が独自の目線で選ぶ「時代を表すキーワード」。今回は、マーケティングライターの牛窪恵さんが、「待ち受け家事」を解説します。

ロスタイムがなくなる次世代型宅配ボックス

皆さんは、いつ来るかわからない人やコトを待ち続けて、ストレスを感じた経験はないだろうか? たとえば、宅配便、「すぐ帰る」と言いながら帰って来ない夫や子ども、なかなか終わらない洗濯機の乾燥モードなど。

2019年8月、建材や住宅設備機器を扱うLIXIL(リクシル)が30〜40代の既婚女性300名に調査したところ、「家族のためにじっと待ち、自分のやりたいことができずにいた経験」が「(よくorたまに)ある」との回答が、8割以上にのぼった。最も多いシーンは、「宅配便の発送・受取を待つ時間」(52.3%)だったという。

こうした経験(時間)を、リクシルは「待ち受け家事」と命名。自社の次世代型宅配ボックスが、女性の家事負担や宅配便の再配達を減らす助けになるのではないかと分析している。

そこでリクシルは、戸建住宅にも設置できるシンプルでスタイリッシュな宅配ボックスを開発。セキュリティ機能が高く使い勝手もいい、「スマート宅配ポスト」が生まれた。

「スマート宅配ポスト」(写真提供◎LIXIL)

同商品の優れたところは、ネットワーク経由でスマートフォンとの連携を可能にしていることだ。たとえば、宅配ボックスに荷物が届いたり取り出しがあったりすると、登録したスマホに「お知らせ」が届く。また、集荷依頼もスマホで行えるうえ、ボックス内蔵のカメラ機能によって、荷物の様子を見ることもできる。パスワードを設定した宅配業者だけが開閉可能なので安心だ。

こうしたネットを活用する次世代型の商品やサービスが広がれば、今後「待ち受け家事」から解放される女性も増えるはず。ただし、なかなか帰って来ない夫や子を待つストレスは別の話だが……。