仲間たちとの日々が人生観を変えた

しかしそれ以上に私の人生に大きな影響を与えたのは、年齢も国籍も経歴も多岐にわたるクラスメイトとの交流でした。なかでも印象に残っているのは、入学してすぐの頃にパキスタン人の学生が「飛行機代が高くなるクリスマス前に帰国したいから、テストの時期を早めてほしい」と教授に直談判し、意外とあっさり認められていたことですね。またアメリカで働いた経験のある日本人女性が、メニューにない料理なのに「こういうアレンジはできない?」とお店の人に尋ねていたことにも、軽くショックを受けました。

日本の人は、決められていることをわりとそのまま受け入れますよね。「変えることはできないか」と聞くのは自己都合だと私も思っていました。しかし一度は、できるかできないか聞いてみる。もしだめなら、ほかに方法はないか探ってみる。それが状況をよりよくする方法のひとつなのだと知ったことは、私にとって人生観が変わるほどの重みがありました。

インドネシアからの留学生3名と秋田隆裕教授(現・名誉教授)を交えたゼミ生会食の様子(写真提供◎山田さん)

家族と来日した留学生は学外に住んでいて、家に招かれて食事をしたこともあります。車の免許のない人を乗せて学外のスーパーへ買い物に行ったり、母国の言葉を教え合ったり。雪を楽しみに来る留学生も多く、近くの山でスキーをしたのもいい思い出です。5月には「ASEANナイト」というインドネシアやミャンマー、タイ、ベトナムの文化を体験できるイベントがあり、近隣の方にも楽しんでいただきます。私はインドネシアの友人に教えてもらった舞踊を披露したんですよ。衣装やメイクもバッチリ決めて。

卒業生のネットワークも強固

国際色豊かな環境でそうして互いに助け合い、充実した大学院生活を送りました。私は1997年の卒業生ですが、この代はいまも仲がよく、年に1、2回は会って食事をするほどです。

修了後は学びを生かせる場として、シンクタンクへの就職を決めました。国際機関で開発に携わるだけが国際支援の方法ではない。確かなデータをもとに新興国の魅力を伝えることで、資金の流れを変えることもできる。そういう支援の仕方もあるのだ、と学ぶことができたからです。

同じ国際大学の卒業生と結婚し、2人の子どもを育てながら働く日々は、あっという間に過ぎていきました。大きな転機が訪れたのは、夫のシンガポール勤務が決まった2010年。一緒に行くには会社を辞めざるをえないか、と悩んでいたところ、現地で働く道を模索してくれた上司が会社に掛け合い、グループをまたぐ異動が実現しました。

もちろん上司の理解をはじめ、多くの支えがあってのことですが、岐路に立たされたとき私を後押ししたのは、国際大学で多彩なクラスメイトたちが見せてくれた「諦めずに道を探す姿勢」だったように思います。また、シンガポールで働いていたときを振り返ると、「新興国を分析する際、『システムが遅れている』『政府が悪い』といった、上から目線の指摘が多いけれど、あなたのレポートにはそれがない」と現地の人から評価されたこともありました。そういうバランス感覚も、国際大学で過ごした2年間で培われたものかもしれません。

卒業生のネットワークが強固なところも強みで、仕事に生かす人も多いようです。いまは私も国際大学の評議員として運営にも関わっておりますので、後輩たちの活躍を微力ながら応援していければと思っています。

南魚沼市
ふるさと納税制度による
国際大学へのご支援のお願い

国際大学は南魚沼市と提携し、ふるさと納税を活用した留学生支援を行っています。ふるさと納税のサイトで、南魚沼市の返礼品を申し込む際、「寄付の使いみち」に「国際大学応援コース」を選ぶと、国際化推進活動資金助成として国際大学に納税額の約4割が交付され、奨学金の拡充などによる留学生が日本で学びやすい環境整備に活用されます

応募方法
  1. 下のURLから
    「ふるさと納税ポータルサイト」に接続
    https://www.city.minamiuonuma.niigata.jp/shisei/kaikaku/zaisei/furusatonouzei/

     
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  2. 「南魚沼産コシヒカリ」や「極上の日本酒」など、お好きな「返礼品」を申し込む

  3. 「寄付金の使いみち」で「国際大学(IUJ)応援 コース」を選択してください

※南魚沼市在住の方には返礼品の贈答はありません

●お問い合わせ/学校法人 国際大学
☎025・779・1491