『婦人公論』増刊
「江原啓之が行く! ペットとスピリチュアルに暮らす」
私が初めて“ペット”について書いた『ペットはあなたのスピリチュアル・パートナー』。早いもので、刊行からもう12年が経ったそうです。それほど長く読んでくださっていることを大変嬉しく思っています。
歳月を経て、ペットとして飼われている動物たちを取り巻く環境はずいぶんと変わりました。獣医療の進歩もあり、動物の介護や看取りという問題の一つひとつに選択肢が増え、12年前とはまた違う迷いや悩みに直面する方もいらっしゃることでしょう。
また、動物愛護についての法律が一部見直されるなど、前向きな変化も起きています。そして、この12年の間には東日本大震災など、いくつもの自然災害もありました。被災地に動物たちが取り残されたり、飼い主と同行避難ができなかったりするなど、動物たちを取り巻く環境にもまだまだ多くの課題があります。
そこで、今回このムックでは、以前の書籍では深く触れられなかった部分を掘り下げたいと思っています。スピリチュアル・パートナーである動物たちと、人との関わりの「今」。それを改めて考えていきましょう。もちろん、「江原啓之が行く!」のシリーズとして、さまざまな現場に出向き、この目で見てどう感じたかを大切にして、分析していきます。
江原啓之
●注目記事1●
〈生後2日目の赤ちゃんに対面!〉
「すずひめ号」の故郷と家族を訪ねて
お話を伺った人・豊岡由行さん
江原 赤ちゃんは3匹生まれたのですね。出産したばかりと伺いましたが、すずひめ号はすっかりお母さんの顔をしていますね。さすがの母性だと感じ入りました。
豊岡 子犬のおしっこもウンチも、すずが食べて処理しているので、お腹がゆるくなったりしています。
江原 教えてもらわなくても、本能で自然とそういうふうにできるんですね。先ほど、すずひめ号と撮影させていただきましたが、紀州犬と聞いて抱いていたイメージと違い、とても穏やかで驚きました。
豊岡 そうですね。紀州犬はもともとイノシシの狩猟犬ですから、狩りをするときは気迫がありますが、普段はとても穏やかなんです。そこもひとつの魅力だと私は思っています。初代を迎えたのは14年くらい前になりますが、その犬もおとなしくてまるで仏様みたいでした。でも、その犬は4歳で亡くなってしまい、あまりにつらくてその母犬を9歳で譲り受けたんです。15歳までの余生を、穏やかに過ごしてくれました。そして、今回探し求めていた黒毛で穏やかな性格のオス犬とすずひめ号とのお見合いが実現し、子犬の誕生となりました。今回、オスが2匹、メスが1匹生まれて。
(一部抜粋)
●注目記事2●
〈予防接種、延命治療、安楽死……〉
ペットの健康を守るには正しい知識が必要です
お話を伺った人・天野芳二先生(アマノ動物病院 院長)
江原 こちらの病院は開院されて何年になられるのですか?
天野 先代の院長が1973年に開業しましたので、46年です。
江原 そうですか。今回さまざまな取材をして、共通するのは、ここ20~30年くらいの動物に対する意識の変化です。昔は、犬を川に捨てるなんていうこともあったと聞きますが、先生は獣医師の立場として、動物を取り巻く環境の変化をどうお感じになりますか。
天野 これは世界共通だと思うのですが、文化度と動物愛護意識は比例すると言われています。そもそも日本では、獣医というのは「軍馬」を診みるもので、そこから始まりました。終戦後軍馬がいなくなり、その後は畜産の牛か豚を診る先生が増えてきたのです。当時、小動物を診ていた先生はわずかでした。
江原 そう考えると、犬や猫など、家庭で飼われる動物たちの獣医療は、まだ歴史が浅いのですね。(一部抜粋)
●注目記事3●
〈ブリーダーってどんな仕事?〉
バーニーズひと筋24年。「血統」を守ることの大切さ
お話を伺った人・岩倉弘純さん(バーニーズ専門犬舎 エリン舎 代表)
江原 はじめまして。今回、念願かなってエリン舎さんに伺うことができました。こちらは、バーニーズ・マウンテン・ドッグ専門の犬舎としては老舗ですが、始められたきっかけは何だったのですか。
岩倉 24年前に、ある犬舎さんで1匹のバーニーズと縁があったんです。最初はピレニーズを飼いたいと思っていたのですが、最後に訪ねた犬舎でバーニーズに会って。そのとき、「今日連れて帰らないと、明日市場に出します」と言われて、連れて帰ったのが始まりでした。
江原 その頃は、まだバーニーズも珍しかったのではないですか?
岩倉 ええ。その犬舎も、バーニーズのことはあまり詳しくありませんでした。子育て方法を教えてくれる人も当時はいませんでしたし。
江原 原産国のスイスでも、絶滅の危機に陥った時期があると聞いたことがあります。(一部抜粋)
【動画】江原啓之さんからのスペシャル・メッセージ!