健康から美容へ、時代とともに進化して
すっかり寒くなり、温かいお風呂にゆったり浸かりたいこの季節。近年、ドラッグストアの店頭には、多様な入浴剤がズラリと並ぶ。2018年時点の市場規模は、前年比2%増の405億円だ。(週刊粧業調べ)
なかでも最近注目されているのが、血行促進や肌の潤いなどの効果が期待できる、高機能な「ハイスペック入浴剤」である。
この分野の草分けは、1983年に花王が発売した「バブ」。お湯に溶けると二酸化炭素の泡が発生、血行を促進し温浴効果を高めるとのうたい文句で、爆発的ヒットを記録した。その後、2003年にツムラ(当時)が、同じく発泡タイプの「きき湯」を発売。当時はまだ「健康」を打ち出す入浴剤が目立った。
だが15年ごろから、潮目が変わる。きっかけの1つは、ハリウッド女優らの口コミで広がった「エプソムソルト」。硫酸マグネシウムの結晶で、入浴時に皮膚から吸収すると血行促進だけでなく、肌の水分量が上がるなど、潤い効果が期待できるものだ。
続いて、「美容」をうたう入浴剤が次々と登場する。18年10月、花王は「濃密美容液風呂」をコンセプトに「バブ エピュール バスエッセンス」を発売。ヒアルロン酸やコラーゲンが配合され、「肌がしっとり潤う」と好評を得た。
そして19年8月にアース製薬が発売した「ウルモア ラエストジェンヌ」は、プラセンタや吸着型ヒアルロン酸、シアバターなど10種の美容成分(保湿成分)のほか、香料にローズオットー&ゼラニウム由来成分を配合。女性らしさを高め、美容液に浸かるかのような極上のバスタイムが堪能できると評判だ。
多忙な女性たちは、「ふだんお風呂でしかゆっくりできない」と嘆く。皆さんも、せめてハイスペック入浴剤に癒やされてみては?