『恋は闇』(写真提供:日本テレビ)

<前回のあらすじ>

「いま目の前にいる浩暉が好き」――。

世間を震撼させる連続殺人【ホルスの目殺人事件】を取材する万琴は、共に事件を取材する浩暉にまっすぐ想いを伝え、浩暉も告白を受け入れる。

2人は、事件が解決したら万琴の地元に旅行に行こうと約束を交わす。

犯人は身長175センチから180センチ、黒のレインコートを着てフードを目深にかぶった人物――。事件の犯人像が少しずつ浮かび上がる中、次なる5件目の犯行現場を予測する万琴は、現場付近の住民が提供してくれた動画に不審な男が映っているのを確認。

その動画を見た番組スタッフたちは、きっと犯人に違いない…と色めき立つが、プロデューサーの沙樹(西田尚美さん)は、何も分からない現段階で放送に使うのは時期尚早だと判断。

野田(田中哲司さん)は万琴に、動画に映る不審な男の正体が浩暉の父・設楽貫路(萩原聖人さん)であると告げる。貫路が過去に、浩暉の母・設楽久美子(紺野まひるさん)を『ホルスの目』と酷似した形で殺害、逮捕されていたことを知った万琴は、浩暉の複雑な胸中を思い、事件解決に一層燃える。

一方、警察も、【ホルスの目殺人事件】の重要参考人として貫路の行方を捜索。しかし、刑事の正聖(白洲迅さん)は、そもそも久美子を殺害したのは貫路ではなく、遺体の第一発見者だった浩暉で、ホルスの真犯人も浩暉ではないかという疑念が拭い切れず……。

5件目の犯行が起こるであろう、運命の5月5日17時。万琴は、後輩・木下(小林虎之介さん)、カメラマン・臼井(おかやまはじめさん)と3人で、予測した5件目の犯行現場へ向かう。

張り込むエリアは2カ所。万琴は作戦会議で浩暉に言われた通り、もしもの時に逃げやすい広いエリアを臼井と2人で張り込もうとする。が、土壇場になって木下が狭い住宅街エリアを1人で担当することにおじけづき、万琴は仕方なく木下と交代する。降りしきる雨の中、遅れて合流する予定の浩暉を待つ万琴。

しかし、夕方以降、浩暉は音信不通。午後9時を過ぎ、前方の路地に人影が……。

万琴は緊張しつつカメラのRECボタンを押し、人影を追いかけて路地をのぞく……が、誰もいない……と振り返ったその時。黒いレインコートを着てフードをかぶった人物が立っていた!!!

声にならない悲鳴を上げる万琴!震えるその手でカメラを構えようとすると、相手はナイフを持って襲い掛かってくる!

不審人物はどこかでサイレンが聞こえた途端、慌てて走り去った。その足元のスニーカーを見た万琴は、浩暉のスニーカーと同じであることに気付き――。

九死に一生を得た万琴の元に、浩暉が駆けつける。万琴の出血を見た浩暉は驚き、「ごめん……1人にして!ごめん!」と珍しく狼狽して……。

現場に到着した正聖は万琴を抱き締めると、浩暉をにらみつけ、「またおまえが、第一発見者か!心配してるような顔して、どこで何やってたんだよ!」と食ってかかる。何も答えない浩暉。

治療を終えた万琴は、正聖と大和田(猫背椿さん)から事情聴取を受ける。万琴が撮影した映像には、残念ながら相手の顔は映っていなかった。レインコート以外で覚えているものはないかと聞かれた万琴は、黒い手袋をしていたと答えるが、浩暉と同じスニーカーについては言葉をのみ込む。

その後、地下街のコインロッカーから、びしょびしょに濡れた黒いレインコートと黒のビニール手袋を取り出し、袋に詰める浩暉。手袋には、血が付いていて……。

 

そして、マンションの一室で【ホルスの目殺人事件】の5人目の被害者が発見される。鑑識の松岡は、被害者女性の腕に注射痕を発見する。

その頃、浩暉はアパートで1人、届いた小包を開けている。中には注射針が入っていて――。