偽造防止と芸術性を兼ね備えた紙幣をつくる4つの部門
工芸官は4つの部門に分かれており、代表的なものが紙幣のデザインをつくる「製品デザイン部門」。他の部門の作業に必要な設計図を作成します。また、紙幣をよく見てみると色とりどりの線や図形が刻まれていますが、この幾何学模様の制作は「線画デザイン部門」が担当しています。
さらに、金属板にビュランという特殊な彫刻刀で点や線を1本1本彫刻し、原版を作製するのが「彫刻部門」。そして、透かし部分を担当しているのが「すき入れ部門」です。
この工芸官という職種は国家公務員ですが、実際所属している人が何人いるのか、また、誰が何を担当しているのかなどの詳細は非公開とされています。これは、偽札に関する犯罪に巻き込まれないようにするためだそうです。
100年以上にわたりベテランから若手に繋がれてきた工芸官の技術。今一度手元にある紙幣をじっくりと眺めてみてはいかがでしょうか。