<前回のあらすじ>
木村瑞帆の前にかつて暴力をふるっていた元恋人・倉島隆が突然現れた。瑞穂は復縁を迫る隆を衝動的に刺し殺してしまった。
その場から逃げた瑞帆だったが、事件は一向に報道されず、現場の駐車場から隆の遺体はなくなっていた。
会社に出勤する瑞帆だったが、大口顧客である郷田肇との内見の約束を忘れ、上司の徳島昇一に急かされて、内見先に向かうも接客に身が入らない。
「どうして何もなかったことになるの?もしかして隆が生きているから?」不安を拭えない瑞帆だった。
そんな中、瑞帆は津坂慎也から食事に誘われ「放っておけない…傍に居たいって…そう思ったんだ」と告白されるが、「もう恋愛するつもりはない」と断る瑞帆。それでも「一人で抱えてないで、俺に少し分けてよ」と慎也から改めて想いを告げられ、そのやさしさが瑞帆の心に響く。
事件が明るみにならないまま、数年が経ったある日、瑞帆の携帯に一通のショートメッセージが届く。「突然のメールをお許しください」
差出人は不明。いたずらかと思い放置する瑞帆だったが、その後矢継ぎ早にメールは届く。
「私は全てを知っています」「あの夜の駐車場の件です」――。
愕然とする瑞帆。あの悪夢は終わっていなかった。