帰るところがあるからこそ

――鳥山石燕に弟子入りして

久々に何も考えず、思うがままに、目的がない絵を描き始めます。自分が絵を描くのが好きっていうのはこういう感覚だったよなっていうのをもう一回感じ直せた、もう一度原点に戻れた、そんなシーンだったと思います。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

蔦重がいなかったら、外に出てまた絵を学ぶということもできないと思いますし、帰るところがあるからこそ、一歩外に踏み出せるようになっていってるのかなとも思いました。

蔦重は拗ねながらも見送ってくれたんじゃないかなと思っています。

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<喜多川歌麿(きたがわ うたまろ) >

美人画で江戸に旋風を巻き起こした天才絵師。幼い頃、絵師・鳥山石燕(片岡鶴太郎さん)のもとで絵を学び、その後、蔦重(横浜流星さん)と出会う。蔦重が洒落本、黄表紙、狂歌本と次々と新たな出版物を手がけていく中で、挿絵の仕事などを任され、自らの画力を磨いていく。やがて寛政の改革で時代が変わると、蔦重と浮世絵の美人画を仕掛け、その才能を一気に開花させる。美人画は江戸で大評判となり、人気絵師の地位を確立していく。