2020年5月12日号

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[特集]
〈もう悩まない!〉
モノの捨て方&残し方

片づけ指南書を手にするたび、「捨てたいけど、捨てきれない……」とためらい続けてきたのは、あなただけではありません。家族の分だけ、思い出の数だけ、モノは増えていくのですから。だから今度は「何を捨てるか」ではなく、「何を残すのか」を考えてみませんか

●注目記事●

〈数万冊の本、資料の山に途方に暮れる日々〉
きっぱりと処分できずにいるのは、
夫の生きた証と思えばこそ

司葉子

愛書家の家族が亡くなると、蔵書の始末に悩む人は多い。先ごろ、夫の一周忌を迎えたばかりの女優・司葉子さんもそのひとりだ。大蔵官僚から政治家に転身し、活躍した相沢英之さんの本を、いまも整理できずにいるという──

庭の満開の桜を見ると、毎年開花を楽しみにしていた夫のことを思い出します。

亡くなった2019年4月4日は、庭全体が燃えるようなピンク色に染まっており、思わず悲しさを忘れて見とれるほどの美しさでした。でも今年の桜は、なぜか花びらが白くて……。色が変わってしまったのは、何か意味があるのかもしれませんね。

この2年間で、私は夫だけでなく、周りの大切な人を次々と亡くしました。一昨年は大阪で暮らしていた姉を、その数ヵ月後には親友の小林比奈子さんを。ひなちゃんは高校時代の友人なのですが、私が映画の世界に入ってからは付き人になってもらったので、どこへ行くのにも一緒でした。撮影現場への送り迎えや仕事にまつわる雑務、家の中のことまですべて担ってくれていましたから、自分の体の半分を奪われてしまったように感じたものです。そして夫を見送った1ヵ月後には、長男が血液の病気で亡くなって──。

続けて4人も失ってしまったショックが大きすぎて、自分の中の糸が切れてしまったのでしょう。眠れない日が増え、体も思うように動かなくなって入院しました。幸い大きな病気ではなかったものの、入院中は「あの家で、この先一人で暮らしていけるのだろうか」と不安に襲われる日々でした。

自宅は、もともとあった私の家を建て増ししたもので、一人で住むにはあまりに広く、家具や物も多い。庭も広いですし、これまでのように庭木の面倒をみられるとは思えませんでした。

ところが、退院の日に病院から直行した美容院で、2020年の占いが載った雑誌を手に取りました。私の誕生月である8月生まれのところの運勢を読んだら、「20年は生涯で最高の一年になります」と書いてある。うれしかったですね。それを見た瞬間、すっと心が晴れたようになり、「ああ、救われた」と感じました。それからは体調も少しずつよくなっていき、元気を取り戻していったのです。
(一部抜粋)


他にも、やましたひでこさんのメソッド「夫婦でやりたいことが違うなら、家も人間関係も断捨離していい」、椿鬼奴さんと平野ノラさんの片付け対談「捨てる努力はしてきた2人、成功と失敗の分かれ道はどこ?」、服部真澄さんの「量を絞れば、手元に置く喜びも使う楽しみも味わえる」などが掲載されています。

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[第二特集]
〈「私は大丈夫」と思わないで〉
知っておけばダマされない いまどきの詐欺

手口は日々、巧妙化。犯人を捕らえようにもイタチごっこの状態です。お金だけならまだしも、命の危険もありますから、最新事情を知るところからはじめましょう。次は「あなたの番」かもしれません

●注目記事●

〈「オレオレ」「架空料金請求」「還付金」……〉
最新!特殊詐欺、
9つの手口から身を守るには

警察庁特殊詐欺対策室/多田文明

テレビや新聞、街中のポスターなどで見かける特殊詐欺への注意喚起。この瞬間にも、高齢者を中心に大切な財産が奪われ続けています。どんな点に気をつければいいのか、警察庁に話を聞きました

多くの人が一度は耳にしたことがある「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」は、詐欺犯罪のなかでも「特殊詐欺」と呼ばれます。これは電話をかけたり、ハガキを送ったりして対面することなく信頼させ、現金をダマし取る犯罪の総称です。

かつて詐欺といえば、「儲け話がある」「投資しませんか」といった利殖型が主流でした。ですが、この方法は相手を信用させるだけの資料を作らなければならなかったりと、非常に手間がかかる。一方で特殊詐欺は、100人に電話をかけて1人でもダマせれば簡単に大金を得ることができるため、一気に全国に広がっていったと考えられます。

2019年の特殊詐欺の認知件数は全国で約1万7000件、被害額は約301億円と、前年に比べて減少はしているものの、依然として大きな被害であることに変わりありません。

なぜ被害がなかなか減らないのか。それは、対策を講じるたびに、犯人側の考える手口がますます巧妙化・複雑化していくからでしょう。

こうした詐欺の実態を警察庁が把握し出したのは、03年頃のこと。当初は息子や孫を騙ってお金をダマし取る手口が主流でしたが、そのことが世間で認知されると、警察官や弁護士など、社会的に信用されている立場の登場人物がたくさん現れる“劇場型”へと進化してきました。(一部抜粋)


他にも、ルポ 「まさか、自分がターゲットになるなんて」が掲載されています! 

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[読みもの]

〈天国でも、みんなを笑わせて〉
追悼・志村けんさん

3月29日、新型コロナウイルスに感染し入院していた志村けんさんが息を引き取った。享年70。入院からわずか10日後のことでした。1970年代にザ・ドリフターズのメンバーとして『8時だョ!全員集合』などの番組に出演し、一躍スターに。以来、「バカ殿様」「変なおじさん」などのキャラクターで親しまれてきました。志村さんといっしょにお茶の間に笑いを届けてきた由紀さおりさん、小柳ルミ子さん、研ナオコさんが、生前の思い出を語ります

正気と狂気を行ったり来たり。
喜劇に人生を捧げた孤高の人 ~由紀さおり

私がデビューしたのは1969年の3月で、その年の10月から『8時だョ!全員集合』がTBSで始まりました。歌謡曲の全盛期でしたが、歌い手は歌だけ歌っていればいいというものでもなく、テレビという媒体を活用してどう伸びていくかが試される時代。歌以外の一面を見せることができる人が求められ、歌手にもゲストとして声がかかりました。水前寺清子さん、小川知子さん、いしだあゆみさん、私……。『全員集合』に呼んでいただき、私はコメディエンヌとしても一歩を踏み出したので、ザ・ドリフターズとは、同期で一緒に育った仲間でもあるのです。

当時、志村さんは、いかりや長介さんたちの付き人で、それから5年ほどして、「見習い」を経て、正式にドリフのメンバーになりました。他にもあと二人くらい候補生がいたので、そこから勝ち残っていかなければならない志村さんは大変だったと思います。サロペットのような胸当てのついたジーンズを着て、そのポケットの中には、いかりやさんが吸うタバコやライター、鏡を入れ、手にはティッシュや手ぬぐいの入った岡持ちを下げ、呼ばれたらすぐに飛んでいけるように、常に緊張した面持ちで身構えていました。
(一部抜粋)

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〈婦人公論井戸端会議2020〉司会=重松清
ゲスト=なーちゃんねる/成羽
ようこそ、YouTuberの世界へ!

誰でも自作の動画を配信でき、また無料で見ることができる動画共有サービス「YouTube」(ユーチューブ)。そのクリエイターであるYouTuber(ユーチューバー)は、今や子どもたちの「なりたい職業」の上位にランクイン。人気が出れば広告収入も見込めるが、その楽屋ウラはいかに……。ゲストは、74歳のシニアユーチューバー“成羽(なりわ)”さん、キッズ向けチャンネルで登録者数220万人超えの“なーちゃん”さん。あなたもユーチューバーになる?

重松 ユーチューブが生まれたのが2005年。誕生からわずか15年で、あっという間にひとつのメディアとしての存在感をもつようになりましたね。最初に登場したとき、僕はここまで浸透するとは思っていませんでした。お二人がチャンネルを開設したのはいつ頃ですか?

成羽 14年の11月です。

なーちゃん 私も同じ14年の2月からでした。

重松 成羽さんは毎日、動画をアップしているんですね。

成羽 はい。日々の出来事とか、何かに挑戦したこととか、とくにテーマは決めずに、そのつど興味があることを動画にしております。

なーちゃん 「毎日」ってすごいですね。私は月に1回くらい。長男の“こうちゃん”と遊ぶなど、親子で出演する動画をアップしています。最近では、「サメニンジャ」というキャラクターが登場するアニメの動画も始めました。

重松 お子さんを出すことで実生活でのトラブルはありませんでしたか?

なーちゃん 今は子どもが小学校に通っているので、住んでいる所や学校がバレないよう、細心の注意を払っています。撮影はすべてスタジオを借りてやっていますし。

重松 お二人が投稿を始めたきっかけは?

成羽 介護をしていた父が亡くなって、ひどく落ち込んでしまいました。家にいるのがつらくて、朝、家を飛び出すと一日中、町を歩きまわり、クタクタになって帰る。そんな日々を繰り返しているとき、近くに住む娘が気晴らしにとハワイ旅行に誘ってくれたんです。ネットでハワイのことを検索したら、瀬戸弘司さんというユーチューバーの、ハワイで過ごす日々を紹介する動画が出てきて、これがまあ面白くて……。ユーチューブを見るのにハマり、「自分でもできるんじゃないか」と、持ち前の好奇心のアンテナがピコピコ反応いたしまして(笑)。そうして動画を初投稿したのが15年、69歳のとき。
(一部抜粋)

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 [グラビア]

氷上に舞う! Men’s figure skating 2019-20
羽生結弦
撮影・文◎田中宣明 


他にも、

《新連載小説》
村山由佳
ロマンチック・ポルノグラフィー

コロナに負けない!

雇用、年金、補償……
荻原博子
日本経済がピンチ。家計はどうなる?

〈妻たちのホンネ〉
テレワーク中の夫にイライラ

外に出られなくても心と体を健康に保とう!
斎藤環
ひきこもりの専門家が教える、
上手な「おこもり術」

〈病床からのメッセージ〉
佐伯チズ
ALSに負けないで、
美肌師の使命を全うしたい

追悼・宮城まり子さん
「ねむの木」を照らし続けた愛らしいコメディエンヌ
抄録 作家・吉行淳之介との道ならぬ恋に生きて

などなど、盛りだくさん。ぜひご一読ください!!

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