緻密な野木脚本

<脚本の野木さんはエンタメと社会性を両立させた作風で人気だ。緻密な脚本には無駄がなく『ちょっとだけエスパー』の第2話も予想外の結末がSNSで話題になった>

野木さんの脚本は展開のための会話じゃなくて、人物が描かれている会話なんです。僕たち俳優は楽しい会話がしたいんですよ。野木さんの脚本通りにお芝居をすると気持ちが動いていくから無理に演じる必要がないんです。連続ドラマは、だいたい3話とか4話とかで「出演者の中のこの人が主役の回」といえるような回があって、順番に登場人物が描かれていく。

でも野木さんの場合は、常に全員が最終話に向かっている。全話を通して伏線が緻密に描かれている。「後から考えるとこういうことだったのか」と思うようなことがあります。複雑に展開しながらも穴がない。「どんな頭しているの?」と思っています。

(『ちょっとだけエスパー』/(c)テレビ朝日)

 

本当のことを言うと、『ちょっとだけエスパー』はめちゃくちゃ面白い作品なので、何も知らないで観てほしい。この先どうなっていくとか言いたくない。野木さんの脚本が本当に素晴らしいから、何も考えずにジェットコースターに乗ったような気分で観てくれたほうがいいと思っています。