チェンはこじらせているオタク
<トリプル主演を務める3人の演技も魅力的だ。反町さん演じる吉井雄太(ユン)は贈賄で起訴され公判を控えた身。事件を機に家族の間には不穏な空気が漂っていて――>
情熱を失った大人たちが、もう一度前を向くために人生の忘れ物を取りに行くという話です。視聴者に「これは自分だ」と思ってもらいたかったので、あまり突飛なキャラクターにはせずに、どこにでもいそうな人物造形にしました。3人には僕を投影した部分もあります。
僕は中学時代「オタクと思われたくない」タイプでしたが、今思うともっとオタクライフを楽しめばよかった。そんな思いから作ったキャラクターがユンです。ユンはある種の勝ち組で、成功した人生を歩んでいたからこそ、自然に人を見下してしまうところがある。反町さんは、圧倒的なスターとしての道を歩んできたからこそ、等身大の普通の男が挫折した姿を魅力的に演じられると期待しています。
<大森さん演じる藤巻肇(チェン)は、中学時代は映画研究部の部長でオタク気質。映画監督になったものの近年はヒット作に恵まれず、周囲にあたり散らして孤立。すっかり創作意欲を失ってしまう。津田健次郎さんが演じるのが菊原紀介(キンポー)。理容店を営みながら、認知症となった母の介護に追われる日々だ―>
チェンは、こじらせているオタクです。チェンが言っていることは、僕が中学時代に言っていたこと。大森南朋さんは、チェンのサブカル臭を自然とまとっているので期待しています。
キンポー(紀介)は、漫画を描くのがうまい設定です。創作の道に進むということは人生で怖い決断。僕はそこを気にせずに、やりたいことをやって脚本家になりました。でも、一歩踏み出さず創作の道に進まなかった人生もあっただろうなという思いをキンポーに託しています。『ラムネモンキー」のプロデューサーの成河広明さんが、キンポー役に津田健次郎さんを提案してくれました。優しくて周りを気遣うキンポーを津田さんは魅力的に演じてくださっている。旬の俳優ならではのパワーを作品に与えてくれていると感じます。