2019年5月28日号

[特集]
〈別れないけど心は自由に〉
気持ちがラクになる
夫婦のかたち「卒婚」

夫婦がそれぞれ自立して、パートナーとしてゆるく関係を結びつつも、お互い自由に生活する「卒婚」に、注目が集まっています。夫や子どもの世話に明け暮れる生活をリセット、環境も少し変えて、しかし離婚はせずに生きることを楽しもうという夫婦の新しい形態です。そんなの理想にすぎない、と思われるでしょうか。卒婚がもたらす、風通しのよい夫婦関係を考えます

●注目記事●

 

「好き」という感情が薄れてからのほうが、
合理的でいい感じ

岸谷香

主婦業に専念したあと、自然と音楽活動を再開したくなったという岸谷香さん。山坂のあった子育ても一段落し、ようやく手が離れつつあるなか、年を超える結婚生活で築き上げてきた夫婦の関係性とは

2年前、50歳のバースデーライブをした時、せっかくだから新しいことをやってみようと思い立ちました。それで始動したのが、ガールズバンドプロジェクトの「Unlock the girls」です。私以外のバンドメンバーは、みんな1989年生まれ! ただ私が信頼するスタッフが推薦してくれたミュージシャンだったので、「お願いですから、私と一緒にバンドをやってください!」と頼みました。(笑)

なにせプリンセス プリンセスが「Diamonds〈ダイアモンド〉」を出した頃に生まれた世代なわけですから、聴いてきた音楽も全然違います。でもそれだけに、そこで起こる化学反応が面白くて。お互いにYouTube 片手に会話してる感じです。今は、わからない世代のカルチャーも動画で学べるから便利(笑)。ミニアルバムを出してツアーを行ううちにどんどん楽しくなって、今年はついにフルアルバムを出すことになりました。今は「やっぱり音楽って、バンドっていいなあ」と再認識しているところです。

2012年に、私はプリンセス プリンセスを一度再結成しています。きっかけは、その前年に起きた東日本大震災でした。地震が発生した直後、わが家では下校途中の電車の中にいた小学1年生の娘と連絡が取れなくなった。彼女を捜し出し、車に乗せて帰宅するまで、本当に生きた心地がしませんでした。ストレスで口の中の水分がなくなり、のどがふさがったような感覚を、あの時はじめて味わいました。

あの極度の心配の末に、たくさんの被害を受けられた方々がいることを考えたら、何かせずにはいられなかったんですね。(一部抜粋)


他にも、小島慶子さんと高橋秀実さんの「対話したい妻と生体反応をなくす夫。かみ合わない夫婦の本心は」、石黒彩さんと真矢(LUNA SEA)さんの夫婦対談「白黒つけたくて、徹夜でケンカしたことも」、「もう夫が気にならない! 上手にすれ違うリフォーム術」などが掲載されています!

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[第二特集] 
親子で「介護破産」 しないために

親が長生きしてくれるのはありがたいこと。 しかし、介護の年数が予想より長引くにつれ、 資金は乏しくなり、子世代からの助けが必要に。 親の介護で子世代の家計が逼迫しないために、できることは?

●注目記事●

 

子ども世代からの相談室
親の介護費用で家計が火の車に⁉️
黒田尚子/阿久津美栄子

突然はじまった親の介護に、暮らしが一変してしまったという子ども世代も多い。 生活破綻を避けるための知恵を専門家に聞きました

介護に関するご相談を受けるときに感じるのが、みなさん根本的な部分を置き去りにしがちということ。つまり「子が親にどういう介護をしてあげたいか」と「親はどんな介護を受けたいか」。これを家族で話し合っている方が本当に少ないのです。

経済的な面でいうと、「施設介護」か「在宅介護」かで大きく金額が変わります。施設は有料老人ホームのかに、もう少し安い軽費老人ホームやグループホーム、また介護保険の使える低価格の施設として特別養護老人ホーム(原則、要介護3以上)や、介護老人保健施設(要介護1以上。原則、入所期間は3〜6ヵ月)などがあります。

特養は数年待ちといわれますが、将来を見込んでの仮予約なども多く、実際は公表されている待機者数の3分の1ぐらいのケースも。地域によってはスムーズに入れることもあります。

しかし何よりまず、親の望んでいるのが在宅介護なのか、それとも施設へ入りたいのかを確認するのが先決。(黒田尚子)


他にも「ルポ・「親子共倒れ」が頭をかすめた日」、大島直也さんの「1年半の介護で、肉体労働も借金も経験して」があります。

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[読みもの]

●注目記事●

 

スペシャルグラビア&寄稿
羽生結弦 もっと大きく、もっと力強く
文・永井順子

2018-19シーズン最後の演技を終えた瞬間、羽生結弦選手の胸中に去来したものは何だったのか。国内外問わず、8年間取材を続けてきた記者が綴る、闘いの記録

演技を終えた羽生が、右手の拳を握りしめた。ただし、勝利を確信した時に突き上げる人さし指は、立てられなかった。「頑張ったと思う。でも、まだやれる」「勝てないだろうな」。充実感と敗北感が、一瞬のうちに交錯した。

世界選手権で羽生が演じたフリープログラムには、王者らしい威厳と、挑戦者としての気迫があふれていた。冒頭に跳んだ4回転ループは、高くて幅があり、音楽に溶け込んでいた。演技後半に組み込んだ4回転トウループ—トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の連続技も、流れるように成功させた。いずれも、国際スケート連盟(ISU)公認大会で羽生が世界で初めて成功させた難しい技だが、極めて上質なレベルで結実させている。唯一無二のプログラムを滑り終えた姿を見て、他人との比較ではなく、羽生は自分との闘いに勝ったと感じた。

厳しい状況で迎えたフリーだった。ショートプログラム(SP)を終えた時点で、首位のネイサン・チェン(米)に・点もの大差をつけられていた。「追いかける状況は、嫌いじゃない」と自らを奮い立たせたものの、追い込まれていたのは間違いない。(一部抜粋)

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他にも、

〈深夜のピンチで絆が深まった〉 
日常にある危機と、僕たちの守りたいもの
西島秀俊×佐々木蔵之介

スペシャル対談〈前編・女と介護〉
親を看て、夫を送り、 自分のその時は
阿川佐和子×伊藤比呂美

〈葛藤と問いかけを繰り返しながら〉
女形として生きる
河合雪之丞×篠井英介

清水ミチコの 三人寄れば無礼講
ゲスト 高橋克実&八嶋智人

などなど、盛りだくさん。ぜひご一読ください!!

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