専門家が独自の目線で選ぶ「時代を表すキーワード」。今回は、政治とマーケティングの専門家が、「たたき上げ」と「超音波洗浄機」を解説します。

たたき上げ

2019年4月1日、新元号「令和」の額を掲げる菅義偉内閣官房長官。12年より官房長官を務める。16年に在職期間が1290日となり、歴代1位を記録。たたき上げ随一の出世株である

 

動向が注目されている
3人の共通点

今、永田町(中央政界)で「たたき上げ」の政治家が注目されている。といっても、これは自民党限定の話だが。かつての自民党は、「官僚派」(官僚出身政治家)と「党人派」(官僚出身ではない政治家)の2大勢力だった。それが今は大きく「世襲派」と「公募派」と「たたき上げ派」に分類される状況となっている。

なかでも主流となっているのが安倍総理をはじめとする、いわゆる世襲議員で、これが全体の3割以上を占めている。一方、公募に応じて立候補、当選した議員も少なくないが、政治経験が少なく、落下傘で降下し、党の力で当選したような「促成栽培」型だけに、それほどパワーはない。いわゆる○○チルドレンと呼ばれる議員の大半がこれだ。

それに対して「たたき上げ派」は、数こそ少ないが、徒手空拳から苦労してのし上がってきた人たちだけに、迫力やしたたかさが違う。故・田中角栄もその一人だ。

今、たたき上げの中でも、その動向に注目が集まっている政治家が3人いる。1人目は安倍総理も一目置く二階俊博幹事長、2人目は引退したにもかかわらず、未だに影響力を維持している古賀誠元幹事長、そして3人目は「令和おじさん」とも呼ばれる菅義偉官房長官だ。「ポスト安倍」最有力とも言われる。

この3人、いずれも国会議員秘書を振り出しに、苦労して政界の重鎮にまで上り詰めた政治家。二階氏も古賀氏も、菅氏を「ポスト安倍」候補に挙げたことが話題になっているが、もしかしたら、同じ「たたき上げ」としての仲間意識が作用しているのかもしれない。(伊藤惇夫)

 

 

超音波洗浄機

「SONICSOAK」の重量はわずか113グラム、洗浄筒の部分は直径3.5×長さ7センチと、手のひらにおさまるサイズ。長期の旅行や入院時にも役立ちそうだ(写真提供◎EarthShip)

 

シルクやカシミヤ、
繊細な衣類の洗濯にも

「超音波洗浄機」と聞くと、メガネを連想する人も多いかもしれない。そう、メガネ専門店によく「ご自由にお使いください」と置かれている小型の洗浄機だ。

従来はメガネやコイン、宝石など、おもに小さくて硬い製品を洗う際に用いられてきた。それが昨今では、衣類や大判のバスタオル、さらに野菜や果物まで、「水に沈められるものなら、なんでも洗える」という画期的な超音波洗浄機が登場し、話題を呼んでいる。

その商品は、2018年11月に発売された「SONIC SOAK(ソニックソーク)」(販売:EarthShip)。発売前、開発資金等をネット経由で調達するクラウドファンディングサイトにおいて、歴代最高額の1億1700万円超を集めた。それほど注目度が高かったのだ。

ソニックソークの特徴は、2つある。1つは、洗うモノのサイズに制限がないこと。超音波洗浄機の多くは、超音波発生装置が小さな「洗い桶」のような容器の中に組み込まれており、そこに入るモノしか洗えない。だがこの商品は、装置が直径3.5センチの筒形なので、水を張った桶やボウルなど、好きな容器に沈めればいい。ゆえに、どんな大きさにも対応可能だ。(ただし重量2キロ以内推奨)

もう1つの特徴は、軽い汚れならば「洗剤いらず」で洗えること。そもそも超音波洗浄は、超音波によって水に振動を与え、微細な泡を発生または破裂させることで、汚れを浮かせて落とす仕組み。ソニックソークの場合は、筒形の装置のタイマーを設定し、洗いたいモノと一緒に水中に沈めて動作ボタンを押すと、毎秒5万回もの振動が泡を作り出す。

シルクやカシミヤも「ほとんど傷めず洗える」との口コミもある。繊細な衣類の洗濯が、手洗いよりずっと楽になりそうだ。(牛窪恵)