かぶれたら原因をしっかり調べる

山本 アレルギー症状は、ある日突然出るものなのですか?

関東 反応はゆっくり静かに起きているのですが、女性ホルモンの分泌が安定しているうちは、それを抑える力があります。けれど、女性ホルモンが減少する40代後半から50代、60代は免疫不安定世代で、今まで大丈夫だったことがダメになる。防御力が落ちて爆発的に悪くなるのです。

山本 ではその前兆に気づいて対処していれば、長くヘアカラーを続けられる可能性もあるのですね。

関東 危険なのは、かぶれて皮膚科に行き、原因を調べないまま治療して、ヘアカラーを繰り返し使ってしまうこと。最近は、美容院でも市販品でも、低刺激ヘアカラーとしてPPD配合率の低い製品や、PPD類似骨格の化学構造式を持つ成分が主成分の製品などマイルドなカラー剤が増えました。PPDアレルギーを発症すると反応は重症化してくるので、白髪染めはリスクのあることだと認識してほしいと思います。

ヘアカラー用語解説

※【ヘナ】……

インドや北アフリカなどに自生するミソハギ科の植物。インドでは古来、薬草として多用されてきた。葉の部分に赤色色素を含み、たんぱく質に反応して発色。葉を乾燥させて粉末にし、お湯で溶いて髪に塗布するヘナカラーを使うと、白髪はオレンジ色に染まる。髪のトリートメント効果も。

※【アルカリカラー】……

美容院、市販品のヘアカラー、ヘアダイ、白髪染め、おしゃれ染めなど、医薬部外品の永久染毛剤(酸化染毛剤)。アルカリ剤で髪のキューティクルを開き、PPDなどの染料を髪内部に浸透させ、過酸化水素で染料を酸化させて発色させる。髪本来のメラニン色素も脱色するので、思い通りの髪色に染められる。永久染毛剤にはオハグロ式白髪染めと呼ばれる非酸化染毛剤もある。

※【パラフェニレンジアミン】……

PPD。美容室専売品、市販品のアルカリカラーに含まれる代表的酸化染料で、分子量が小さくアレルギーを起こしやすい。髪の内部に入り、過酸化水素と酸化結合して発色し、色が定着する。黒色調を出すのに有効な色素で、黒髪を持つ黄色人種に好んで使用されるが、「接触皮膚炎」を起こすこともある。おしゃれ染めより白髪染めのほうが配合比率は高い。