家族葬が主流でも現役世代なら一般葬を

近年、家族葬を選ぶ人が増えています。コロナ禍によって、選択せざるをえない事情もあるかもしれません。ただし、「家族葬なら安く済む」というのは誤解。確かに「家族葬30万円から」といったパッケージ商品もありますが、葬儀は結婚式と同じで、「祭壇やお花をもう少し立派なものにしたい」「棺はこれにしたい」という要望に合わせて、どんどん加算されていきます。私の父は直葬(告別式を行わず火葬のみの葬儀)で見送りましたが、それでも40万円近くかかりました。

また、故人が家族葬を希望していても、現役世代で付き合いが多い場合は、一般葬がおすすめ。後々「お線香を上げさせてほしい」と、自宅への弔問を望まれることが考えられるからです。哀しみが癒えないうちに来客の相手をしなければならないのは、かなりしんどいもの。あえて一般葬にして、皆さんに一度にお別れをしていただくほうがよいかもしれません。

もう一つ気をつけたいのは、【法要】について。最近は「式中法要」といって、告別式の中で初七日法要や四十九日法要を済ませてしまうケースが多く見受けられます。しかし本来、法要は火葬後に行うもの。式中法要を行う場合、家族が知らぬうちに終わっていたということにならないよう、事前に葬儀社に確認するようにしましょう。

式が終わればあとは、故人の【お骨をどこに納めるか】自宅での手元供養でもいいですし、お寺や霊園で預かってもらうことも可能。納骨はいつまでにという決まりはありませんので、ゆっくりと決めていけばよいと思います。

葬儀や法要、納骨は、別れを受け入れ、心を整理していく区切り。自分や故人にとって満足のいくものにすることが大切です。