最近運転が心配だ、食材の買い忘れが増えた、お釣りの計算が苦手、暗証番号が出てこない……。ひょっとすると認知症の兆しかもしれません。自身はもちろん、家族を心配させたくないという人に、耳寄りな情報をお届けします

 

日本人の平均寿命は毎年、男女ともに過去最高を更新し続け、高齢化は留まるところを知りません。それにともない認知症患者も増え、2025年には65歳以上の5人に1人が罹患するともいわれています。

認知症に罹患してしまったら「治らない」というのがこれまでの常識でした。しかし研究が進むなか、「認知症の前段階といわれる軽度認知障害(MCI)を改善できる」というニュースが飛び込んできたのです。研究に携わった金沢大学薬学系教授・加藤将夫先生は、次のように語ります。

「食物由来の『エルゴチオネイン』という物質が、脳によい作用を及ぼすことが明らかになりました。これはキノコなどの菌類や一部の麴菌に含まれる物質で、体内では合成できず、日常的に食事で摂取しています。抗酸化力が非常に高く、酸化ストレスから体を守り、老化を防いでくれる物質です。今回の私たちの研究により、この物質に記憶力や注意力を改善する効果があるとわかったのです」(加藤先生。以下同)

香りが高く、うまみ物質が豊富なことから「ダシの王様」としても知られるタモギタケ

加藤先生は薬学が専門で、体内に入ってきた物質を取り込む仕組みについて研究してきました。

「私たちの体を構成しているたんぱく質の一部は、外から入ってきた物質の中から、体にとって必要なものを取り込み活用しています。ということは、たんぱく質と結合しやすい物質を薬や機能性表示食品などにすれば、病気の治療や症状の改善に役立つわけです。そんな研究を続けるなか、あるたんぱく質がどんな物質を取り込んでいるのか、正体がつかめずにいました。そこで体内に存在するあらゆる物質を探し、発見したのがエルゴチオネインだったのです。抗酸化物質はほかにもたくさんあるのに、なぜこの物質だけを取り込むたんぱく質が備わっているのか、非常に興味を持ちました」

しかも、そのたんぱく質は、脳で多くが使われていることがわかったのです。

「ひょっとするとこれは脳の老化予防のカギになるかもしれないと思い、研究を進めると、記憶力や認知力を司る『海馬』に働きかけることがわかりました」

そこで、MCIの人と健常者を対象に、キノコの一種である「タモギタケ」から抽出したエルゴチオネインのサプリメントを使ってヒト試験を実施。すると服用開始1ヵ月後からMCIの人と健常者ともに改善傾向を示し、2ヵ月目以降、とくに言語記憶力が改善するというデータが得られたのです。(グラフ参照)

「これまでにもMCIの人の認知機能が改善したと報告された食品成分はありましたが、作用する成分が特定されていない、あるいは成分が脳に届いているかどうかわからないものがほとんどでした。しかしエルゴチオネインは、脳に取り込まれ、MCIの人の認知機能を改善するのです」

さらに、ニューロン(脳の神経細胞)を増やす働きがあることも明らかになったそうです。

「マウスを使った試験ではありますが、ニューロンのもとになる神経幹細胞に働きかけ、ニューロンの新生を促すことがわかりました。この結果から、ニューロンがどんどん壊れていくアルツハイマー型認知症などにも効果が期待できるのではないかと推測しています」

認知機能の改善に必要なエルゴチオネインの量は、1日に5mg。

「エルゴチオネインは、血液中に吸収されたのち脳に運ばれます。海外の報告によると、60歳前後から血液中のエルゴチオネインの濃度が低下。また、エルゴチオネインを体内に取り込むたんぱく質を持たないマウスはさまざまな病気に対して脆弱なこともわかっているのです。したがって、体内からエルゴチオネインを枯渇させないよう、継続的に摂取したほうがよいということがわかります。タモギタケのほか、しいたけやエリンギ、米などの穀類や肉類にも含まれており、日本人の平均的な食事の摂取量から計算すると、1日2~3mg程度を摂取していると考えられますが、正確な数字はわかっていません。しかし脳の働きのためには、毎日5mgを摂る必要があるのです」

エルゴチオネインの含有率を見ると、タモギタケにはほかのキノコ類と比べて非常に多く含まれています。その量は、しいたけの13倍、エリンギの10倍。タモギタケを食べ続けることが認知機能を維持する秘訣といえそうですが……。

「タモギタケは生産地がきわめて限られていて、流通量が少ないですし、毎日食事で摂り続けるのは難しいでしょう」

では、どうすれば規則正しく摂取できるのでしょうか。

「サプリメントで補うのも効果的だと思います。海外の報告から分析すると、エルゴチオネインが減少する50代から積極的に摂取すればよいでしょう」

とはいえ、たくさん摂ればいいというものではありません。

「脳も含め、健康維持の基本は栄養バランスのいい食事です。何か一つを摂ればいいというものではありません。糖尿病や高血圧の人は認知症リスクが高まることからもわかるように、炭水化物や塩分の摂りすぎに注意しバランスの取れた食事を心がけましょう。そのうえで、不足分のエルゴチオネインを補えば、鬼に金棒です」

運転や趣味、会話への不安をケアし、豊かでポジティブな人生を楽しみたい方に。タモギタケから抽出した、抗酸化作用を持つ「エルゴチオネイン」を配合した日本初の機能性表示食品(消費者庁届出番号:F682)。中高年の記憶力(人や物の名前などを記憶し、後から呼び起こす能力)や注意力(物事に対して注意を集中して持続させる能力)を維持する働きがある。120粒(1日4粒目安 30日分)¥4,980(税込)

※食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
※本品は、疾病 の診断、治療、予防を目的としたものではありません

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