まちと共に生きる -美しい城下町を訪ねて-

菊屋横町、平安古鍵曲(ひやこかいまがり)、萩焼の画像

上 文化元(1804)年の創業以来、藩御用達の献上酒を醸造してきた御前酒(ごぜんしゅ)蔵元辻本店は勝山の商家の代表格だ。

左下 のれんは100以上の軒先にかかっている。

右下 明治40(1907)年築の重要文化財、旧遷喬(せんきょう)尋常小学校は勝山から車で約10分のところにある。

鮮やかなのれんが揺れる町並み・岡山県真庭市勝山

岡山県真庭市勝山は、文豪・谷崎潤一郎が昭和20(1945)年7月に疎開し、『細雪』を執筆した風光明媚な山間のまちだ。

明和元 (1764)年より藩主・三浦氏が10代約100年にわたり支配。その拠点である勝山城の城下町は、出雲街道の宿場町、高瀬舟による交易の要所としても賑わってきた。その繁栄ぶりを物語るのが、白壁朱瓦、格子窓、窓、なまこ壁の蔵などの伝統的な商家風情だ。近世・近代の景観を伝える美しい町並みは、県の「町並み保存地区」に指定されている。

染織家の加納容子さん(73歳)は、東京の大学で染織を学び、29歳で家族とともにこのまちに戻った。「どこに行くことになっても必ず帰ってこようと思っていました」。1996年、元は造り酒屋だった生家の軒先に加納さんが自作ののれんをかけたことがきっかけになり、今では町内の商店や民家の多くに色とりどりのオリジナルのれんがかかっている。「古い家に似合うだろうなと始めただけ。それに町内の方が賛同してくださり、自然に広がって町並み保存に繫がっているんです」。のれんのある風景には、住人たちの心意気が映し出されている。

ほかの写真

インフォメーション

●交通:「勝山町並み保存地区」へは、JR姫新線中国勝山駅下車徒歩約5分。
●お問い合わせ先:真庭市役所勝山振興局 TEL 0867-44-2607

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