いつもの化粧品でいつものケアをしていても、肌の調子が崩れがちな春。なぜ春は肌がゆらぎやすいのか、その理由と一日も早く健康な肌を取り戻すためのスキンケアのコツを銀座ケイスキンクリニック院長で著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』などがある皮膚科専門医の慶田朋子先生に聞きました(撮影=金子吉輝 文=古屋美枝)
冬の乾燥でバリア機能が低下
春先は、赤みやかゆみ、湿疹など思いがけない肌トラブルが出やすい時季です。その理由について、皮膚科医の慶田朋子先生は、《乾燥》が一番の原因だと指摘します。
「11月くらいから春先までは湿度が低いうえに、外気の冷たさで皮膚の表面温度が下がり、乾燥が進みやすい。過酷な冬を越えた肌はバリア機能が低下し、弱りきっている状態と言えるでしょう。そんなところに、花粉やPM2.5などの刺激を受けるのですから、肌荒れが起きるのも当然です」(慶田先生。以下同)
トラブルを回避するには、とにかく「保湿を徹底する」こと。そして、「花粉などのアレルゲンを寄せつけない」ことが重要です。スキンケアだけでなく、上着は玄関で脱ぐ、空気清浄機を活用するなどの対策も必須。
「寒暖差の激しい春先は、自律神経が乱れやすく、それも肌荒れを起こす一因に。いつも以上に食事、運動、睡眠の質に気をつけることが大事です。万一、肌に異常を感じたら放置せず、皮膚科で適切な処置を受けること。炎症を繰り返すと、シワや色素沈着など老化の原因になりかねません。自宅では、汚れをしっかり落とし、刺激の少ないアイテムで肌を守るケアを心がけましょう」