おやつを、カカオ分が70%以上含まれたチョコレートにするだけで、ブレインフードの摂取ができる。ただし、高カカオ製品は脂質も高いため、摂りすぎにはご注意を(撮影◎本社写真部)

 

専門家が独自の目線で選ぶ「時代を表すキーワード」。今回は、マーケティングライターの牛窪恵さんが、「ブレインフード」を解説します。

脳機能低下を防ぐ5つの食品

6年後の2025年、日本国内の認知症患者は700万人を突破すると予測されている(15年厚生労働省発表)。この人数は現状の約1.5倍。人口が多い団塊世代が75歳以上になることで数字を押し上げている。

そんななか、「脳機能の低下を防ぐ効果が期待できる」として注目されているのが、「ブレインフード(脳機能改善食品)」である。話題になったきっかけは、アメリカのアルツハイマー予防クリニックの院長補佐、リサ・モスコーニ氏がまとめた、同名の著書だった。

モスコーニ氏が推奨するブレインフードは、おもに5つ。キャビアと緑黄色野菜(葉物)、ベリー類、エクストラバージンオリーブオイル(またはアマニ油)、そして生のカカオだ。

このうち、ホウレンソウやケールなどの「葉物」には、神経系の健康に必要なビタミンやミネラルが、またブルーベリーやラズベリーなどの「ベリー類」には、記憶力低下を予防する抗酸化物質が豊富に含まれるという。

私のように食生活が不規則な人の場合、三度の食事でブレインフードを意識的に摂取するのは難しい。でも、大丈夫。日本財団の職員で『最強の暗記術』の著者・本山勝寛氏によると、手軽な摂取法が3つあるという。

1つ目は、朝一番に飲む「コーヒー」。2つ目が、脳の血流量を増やすとされる「高カカオチョコレート」。3つ目が、豆腐や納豆、味噌汁など「大豆製品」だ。「大切なのは、これらを毎日摂取する習慣をつけること」と本山氏は説く。

最近は、ブレインフード関連の資格(マイスター)もあり、食育講座を開講する団体も増えている。「認知症になるかも」といたずらに不安になるよりも、習慣的にブレインフードを摂取してみては?