この記事の目次
乗り物酔いの原因と症状
乗り物酔い対策
酔い止め薬を服用する
酔いにくくする工夫
乗り物酔い対策いろいろ

乗り物酔い対策

 

酔い止め薬を服用する

酔い止め薬には、乗り物酔いの原因となる自律神経の興奮を抑えたり、脳のおう吐中枢への刺激伝達を遮断したりするなどの作用があります。多くの酔い止め薬は酔ってからでも効果を発揮するため、常備しておくと安心です。子ども向けに甘く味付けされたドロップタイプやドリンクタイプのものもあります。

なお、酔い止め薬の副作用として「眠気」の症状が現れやすいので注意が必要です。実際に筆者も、乗車前に服用した酔い止め薬の副作用が下車後に現れてしまい、しばらくの間強い眠気に悩まされたことがあります。眠気を避けたい人は、眠くなりにくいことを謳っている酔い止め薬か、乗り物酔いに効果のある漢方薬(五苓散など)を選んでみてください。

以下は市販の酔い止めに含まれていることの多い成分の例です。

・クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、プロメタジンなど…抗ヒスタミン成分といわれるものです。めまいを抑える効果がありますが、副作用として眠気を催します。

・スコポラミン…自立神経の興奮を鎮め、吐き気やめまいを軽減します。

・カフェイン…視覚と三半規管の情報のズレから生じる感覚の混乱を抑え込み、めまいを軽減します。抗ヒスタミン薬による眠気を軽減してくれる効果も期待できます。

なお、酔い止め薬と効果が似た薬として吐き気止め薬がありますが、多くの吐き気止め薬は胃に作用するものであり、主に自律神経に作用する成分からなる酔い止め薬とはやや仕組みが異なります。そのため、乗り物酔いの症状に対しては吐き気止め薬よりも酔い止め薬を使用したほうが良いでしょう。

『漢方薬だから「副作用や飲み合わせの心配がない」わけではない。西洋薬と何が違う?独特の臭いや味、舌触りを気にせず飲むための方法とは』はこちら

 

酔いにくくする工夫

乗り物酔いの主な原因は「揺れ」と「臭い」ですが、服の締めつけなどによる不快感から引き起こされることもあります。有効な対策をいくつか挙げます。

・窓を開ける

窓を大きく開けて車内に新鮮な空気を取り入れます。乗り物酔い対策としてよく知られている手軽な方法ですが、車の臭いで酔ってしまう人に対しては非常に有効です。

ただし、道路が渋滞していると外から流れ込んでくる排気ガスの臭いで逆効果になることがあるため控えましょう。また、悪天候や真夏・真冬、花粉の多い時期など、長時間窓を開けておくのが難しい場合には他の対策を実践してみてください。

・身体を圧迫する服を避ける

身体にぴったりフィットする服や締めつけのきつい服を着ていると、息苦しさや身動きの取りづらさなどの不快感から乗り物酔いにつながることがあります。重ね着することの多い冬は特に注意が必要です。

乗り物酔いしやすい人は、タートルネックのように首元が締めつけられる服やきついネクタイ、ベルトなどの着用を避け、なるべくゆったりとした服装を心がけるようにしましょう。

・空腹時と満腹時を避けて乗る

空腹時と満腹時は胃が刺激されやすく、吐き気やおう吐の症状が出やすくなります。目安として、乗車の1時間前までには食事を済ませておくと安心です。乗車中に空腹を覚えた場合は、おやつなどを軽く食べる程度に抑えるようにしてください。

・シートを倒して横になる

座った状態よりも横になった状態の方が身体が安定しやすく、車の揺れの影響を受けづらくなります。

・遠くの景色を見る

遠くの景色を見るようにすると、視覚情報と三半規管がとらえる情報とのズレが起きにくいため、酔いづらくなります。下を向いて本を読んだり、スマホをみたりしていて酔ったことがあるという人もいるのではないでしょうか?

・眠る、会話する、音楽を聴く、歌う

車での長距離移動の場合は、気分が悪くなる前に寝てしまうのも有効です。また、「同乗者と会話して気を紛らわす」という方法もよく挙げられますが、筆者の場合は会話することでかえって酔ってしまった経験があるため、必ずしも効果的とは限らないようです。

今はスマホで気軽に音楽も聴けるので、好きな歌をかけて歌ってみるのもいいかもしれません。