『婦人公論』9月8日号からスタートした、藤原しおりさんの連載「藤原しおりの TOKYOで世界一周」。毎回、TOKYOに息づく世界各国のカルチャーや、人々の暮らしを藤原しおりさんがレポートします。第1回は「新大久保のリトル・カトマンズ」。ネパール文化を取材します!(文=藤原しおり 撮影=本社写真部)
ネパール文化が栄える街
最初にご案内する東京の中の“外国”はネパール。
実は私、過去にネパールの方とお付き合いしていたことがあり、それ以来ネパールという国に興味を持つようになったのだ。
もっとネパールを知りたい! ということで訪れたのは、コリアンタウンとして有名な新大久保。実はここは“リトル・カトマンズ”とも呼ばれ、ネパール文化が栄える街でもあるのだ。
まず訪れたのはネパール食材店「バラヒ」。最近スパイスからカレーを作るのにハマっている私は、山のようにあるスパイスたちに目が釘付け。
「え! クミンパウダーがこんなに入って300円?」
普通のスーパーではありえない価格。そしてここでしか買えないであろう、見たことのない商品の数々。なるほど、だからネパールの人がここまで買いに来るのか。そう思いながら、私は両手いっぱいに商品を抱えレジに向かった。
取材序盤から荷物が大量に増えた私は、次にネパールの民族衣装の店「ライズ」に入った。色彩豊かな衣装たちがお出迎え。一着一着すべて手刺繍。
「可愛い〜! 選べない〜!」
そんな言葉が私の口から終始溢れる。
日本のお客さんも多いそうで、なんでもここで購入した友人同士、衣装を着てインド映画を見に行ったり、ネパール料理店で食事をしたりするそうだ。浴衣感覚でちょっとした非日常を味わうにはよいかもしれない。