2022年9月号
見どころ動画配信中!

[特集]
〈お金と介護が分かれ道〉
きょうだいは支えか重荷か

互いに家庭を持ったり、生活スタイルが違ったりすると、きょうだい付き合いは減っていきます。けれど、親の介護や看取り、相続をきっかけに再び向き合わざるをえなくなるのも事実です。血縁だからこそ、わかり合えることもあれば、何気ない言動で遺恨が残ることも。歳を重ねて助け合えるきょうだいと、仲違いするきょうだいの差はどこにあるのでしょうか

●注目記事●

〈姉妹漫才解散から45年〉
味方がいることは、人生の財産だと気づく
上沼恵美子×芦川百々子

1971年に漫才コンビ「海原千里 ・万里」としてデビューし、瞬く間にお茶の間の人気者になった芦川百々子さん、上沼恵美子さん姉妹。苦楽を共にしてきた2人は、同じ年に結婚してコンビを解消しました。別々の道を歩んできた今、互いの存在の大きさを感じていると話します

上沼 最近、私が始めたユーチューブチャンネルにお姉ちゃんは2回も登場してくれたよね。有馬温泉に一緒に行った回は、おかげさまで138万回も観られてます。

芦川 それはすごいね。私は恵美子がずっと活躍してくれて、ありがたいと思ってるんよ。テレビに出てるのを観るたびに、すごく元気がもらえるから。

上沼 嬉しいこと言ってくれる。私のファンなの?

芦川 そうよ。お母ちゃんも「恵美子の顔見たら元気出るねん」て、よう言うてた。親孝行やって。

上沼 お姉ちゃんと私は6歳違いやから、私が小学校低学年の時にお姉ちゃんは中学生。子どもの頃は遠い存在に感じてたけど、年をとると年齢差なんて気にならなくなるね。

芦川 そう思う。

上沼 でも、小さい頃はうらやましかったんよ。お姉ちゃんは1人目やから、親から大事にされてた。

芦川 確かに両親は、私にちょっと甘かったね。ひとりっ子だった期間が長かったから。

上沼 だから、私はちょっとひがんでた。服も自転車もお姉ちゃんは新品やのに、私は全部お古。ランドセルは紙やったし。

芦川 なによ、それ!

(一部抜粋)

他にも、桐島かれんさん、桐島ノエルさんの対談「母・洋子の「認知症」を公表するのは最後まで悩んだ」、かしまし娘・正司花江さんのインタビュー「近くにいるからお互い安心。「かしまし娘」の現在形」、山口恵以子さんによるエッセイ「病を抱えた兄と暮らせば」、専門家によるアドバイス「介護と相続で揉めないために」など。
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[第二特集]
真夏の不思議スペシャル

にわかには信じがたいのに、その情景はあまりにもリアル。悲喜こもごもの現し世で、常識では考えられないような体験をした人たちの話を、あなたはどう読みますか

●注目記事●

〈怪談和尚が説く「供養」の意味〉
寂しいのは幽霊も同じです
三木大雲

怪談を切り口に仏教の教えが学べる「怪談説法」が人気の三木大雲さん。見えない世界を知ることには意味があるといいます

京都市にある光照山住職の三木大雲と申します。私は、僧職のかたわら、怪談の語り部としてメディアに出演してきました。そのため、「怪談和尚」と呼ばれることもございます。

怪談を語り始めたのは、23歳の時。仏教系の大学を卒業したものの、寺の次男に生まれた私には、継ぐお寺はありませんでした。思いついたのが夜の公園で布教を行うこと。仏の教えを説くだけでは興味を持ってくれませんので、怪談話を糸口にすることにしました。すると、公園にたむろしていた若者や暴走族の子が面白がって私の周囲に寄ってきてくれたのです。

そうして始まった「怪談説法」を、27年経ってもなお続けているのは、この世には目に見えない世界があることを皆さんに伝えたいからです。

私自身、不可思議な出来事にたびたび遭遇しています。

9歳の夏の夜、実家の寺で寝ていた私は、ふと何者かの気配を感じて眠りから覚めました。目を開けると、人のような影が私の布団のまわりをグルグルと回っている。なんだろうと思っていると突然、誰かが耳元で囁きました。

「あし、ちょうだい」

咄嗟に「嫌だ!」と叫んだ瞬間、両足首を何者かの冷たい手でギュッと摑まれてズルズルッと引っ張られました。驚いて足元を見たけれど誰もいない。これが初めての心霊体験でした。(一部抜粋)

ほかにも、読者体験手記「異界から届く奇妙な声」など。
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[読みもの]

〈家族で目指したテニスの頂点〉
娘・なおみが巣立ったいま、
私自身の夢を探して

大坂環

15歳でプロに転向し、これまでテニスの四大大会を四度制した大坂なおみ選手は、2019年の全豪オープン後、男女を通じてアジア初のシングルス世界ランキング1位となった。その強さの背景には、娘をプロテニスプレイヤーにすることに懸けた両親の熱意がある。苦しい日々を母・環さんが乗り越えられたのには、理由があった

私が夫のマックスと、2人の娘を「プロのテニスプレイヤーに育てよう」と決めたのは、長女のまりが3歳、なおみはまだベビーカーに乗る赤ちゃんのときでした。

以来、夫が娘たちにテニスを指導し、私が働いて家計を支えるように。あれからおよそ20年、私たち家族は同じ目的地へ向かって走り続けてきました。まりは2021年に引退するまでプロとして活躍し、なおみはテニスの四大大会のうち全米オープンで2回、全豪オープンで2回優勝しています。

ただ、なおみが全米オープンで初優勝したころ、あまりにも多くのことが起こり過ぎて、私は嵐の真っただ中にいるような気分でした。一番大きな出来事は、やはりなおみが家を出たことかな。(一部抜粋)

 

〈大河ドラマで再会〉
どん底でもがいていた僕に
新しい景色を見せてくれた恩人

柿澤勇人

劇団四季出身で、これまで数多くのミュージカルに出演してきた柿澤勇人さん。近年は映像作品でも活躍し、現在放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、源氏最後の将軍・源実朝として登場する。伝統芸能の家系に生まれながらも、自身は芸事の世界に興味がなかったと言うが──

役者の仕事を始めてから、15年が経ちました。これまで何度も挫折してやめようと思いましたし、これからも同じような経験をするはずですが、生きている限りは役者をやっていくのだろうと感じています。

僕は、祖父が三味線奏者の清元榮三郎、曽祖父が浄瑠璃の語り手・清元志寿太夫という、いわゆる芸能の家系に生まれました。幼い頃から歌舞伎座や新橋演舞場に連れて行ってもらい、「おじいちゃんが演奏してる」と思いながら、祖父の舞台を観ていた記憶があります。

芸事に関わっている親戚は全員、祖父との会話は敬語。父は次男だったので跡を継がなかったのですが、いとこたちの厳しい稽古の話を聞いていたため、祖父から「おまえもやるか?」と声をかけられても、「なんでこんな怖い世界に入らなきゃいけないんだろう」という気持ちで(笑)。芸事の世界にはあまり興味がありませんでした。 (一部抜粋)

 

[グラビア]

〈宝塚 すみれ色の未来へ 特別篇 宙組〉
『FLY WITH ME』
真風涼帆

充実期を迎えた真風涼帆が6月に初コンサートを開催!プロデュースはEXILEをはじめ、LDH JAPAN(以下LDH)のライブ企画や演出を手掛けるクリエイティブチーム「TEAM GENESIS」。構成・演出は宝塚歌劇団の野口幸作で、史上初のコラボが実現。圧倒的パフォーマンスで客席を魅了した

他にも、

〈80歳、最高の仕事と伴侶に感謝〉
やりたい芝居が多すぎて
終活はまだ先ね

白石加代子

〈パンダ日和〉
おめでとう!
双子パンダが1歳に

撮影◎高氏貴博

 〈名優たちの転機〉
聞き手・文◎関容子
橋爪功

〈酒井順子の「大人は知りたいことばかり」〉
しんどくない料理のコツ
ゲスト◎コウケンテツ

〈漫画アンソロジー〉
「女どうし」
終活はじめました

おざわゆき③

[新連載]
佐藤愛子 思い出の屑籠

などなど、盛りだくさん。ぜひご一読ください!!

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