ブラックマンデーとブラックフライデー

10年は寝かせられるお金で投資をしていながら、暴落相場でさらなる暴落を恐れるのは筋がとおらない。

暴落が続けば、株価は企業の実質的価値を下回るようになる。

リスクが消えるどころか、損益分岐点を越えてしまうのだ。

ここからがマーケットの達人と資本家の出番だ。

彼らは株価と企業価値を計算し、ブランド品を選ぶような感覚で株を買い漁(あさ)る。一般の人たちが株価のさらなる下落を恐れてためらううちに、バーゲンセールは終わってしまう。

暴落が続けば、株価は企業の実質的価値を下回るようになる(写真提供:Photo AC)

数日前まで付加価値を載せて高値で売っていたブランド品が、いきなり2~3割引きセールを始めれば、誰もがその商品を買うだろう。

さらに、この商品は消費財ではないので、あとで高値で売ることもできるし、配当ももらえるのだから、あっという間に売れるのも当然だ。誰かにとってのブラックマンデーは、ほかの誰かにとってのブラックフライデーなのだ。