明子さんは賃貸派

「でも本当は、毎月25万円くらいは投資しないといけない、と思ってるんです。年金暮らしになったら、収入は国民年金だけだから、貯蓄を切り崩して生活することになるので」。年金が頼れない分、貯蓄や投資・運用で、老後資金を自分で準備するつもりとは、明子さんはなんて堅実なのでしょう。投資ではありませんが、「ポイ活も、もちろんしています。買い物はd払いにして、地味に、こつこつdポイントを貯めています」。さすが、しっかりしています。

ちなみに明子さんは、生命保険は掛けていません。個人年金も入っていません。「そろそろ都民共済か国民共済には入ろうかと考えていますけど」。若い頃に、生命保険は保険会社がもうかる仕組みだと気付いてしまったからと言います。生保会社に計算してもらい、生命保険は120歳まで生きないと元が取れないし、医療保険は1年に7日以上入院しないと損だ、と分かりました。胴元のもうかる掛けは、掛けるだけもったいないです。なので、生命保険に入る代わりに、明子さんは自分で貯蓄し、金融商品に掛けているのです。

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いっぽうで、明子さんは支出も絞っています。若い時にはブランドものや着物を買ったりしましたが、最近はすっかり物欲も収まりました。服ももう買いません。美容院代だけは、ストレートパーマとカラーリングなどで年に20万円以上かけますが、「毎月の、家賃以外の支出は13万円以内に収めるのが理想です」。20万円を超える月もありますが、ほぼ13万円に抑えているそうです。「どうせ使わないので」、余ったら投資に回します。

ただし、最大の支出である住居費については、明子さんは賃貸派です。「若い頃に考えたんですけど、マンションは買わずに、ずっとギリギリまで賃貸で行って、その分お金を貯めておいて、その預貯金で最後に老人ホームに入るのがいい、って」。仕事を引退した老後も家賃を払うためにも、預貯金はしておこう、という考えです。

明子さんが親元を出たのは29歳の時でした。都内の賃貸アパートに、妹と二人暮らしを始めました。56平米2LDKのメゾネット。更新料のかからない物件です。妹が結婚して出ていった後も同じアパートで、明子さんは独り暮らしを続けています。