ようやく登場した「唐衣裳」姿の清少納言

『光る君へ』の衣装をじっくり見ていただければわかりますが、これまでのところ、主要な登場人物が「唐衣裳」=いわゆる「十二単」を着ているシーンはごく限られています。

たとえば、序盤で藤原詮子が入内(じゅだい)する場面では、詮子を演じる吉田羊さんがあでやかな「唐衣裳」姿を披露。また、ききょうこと清少納言が宮中で定子に仕えるようになると、ファーストサマーウイカさんのきりっとした「唐衣裳」姿が、時折、見られるようになりました。

今後、物語が進み、まひろ(紫式部)が彰子に仕えるようになれば、主役の吉高由里子さんも、女房装束である「唐衣裳」を着ることになるはずです。まひろはどんな色の表着や唐衣を着るのでしょう。名前にちなみ、やはり紫色や藤色がメインになるのでしょうか……。

また、他の女房たちの色とりどりの「唐衣裳」姿も、できればもっと見たいもの。くるっと身体の向きを変えるときに、舞うように裳が翻る――そんなシーンはとても美しく、見惚れてしまいます。

むろん、こうした所作を習得するには、相当な努力が必要なはず。「唐衣裳」はかなりの重さがありますし、長袴の足さばきも難しい。女優さんもたいへんだなと、つくづく思います。

紫の唐衣をつけた女房装束。裳を広げて座った姿(提供・雪月花苑)

なぜそんなことを考えるかというと、私もこの「唐衣裳」を実際に着たことがあるからです。取材とはいえ、ほんとうに貴重な体験をさせていただきました。ご協力いただいた「十二単記念撮影館 雪月花苑」と、同施設を運営する福呂一榮さんについては、また別の回で詳しくご紹介したいと思っています。