まひろの袿姿を模した貸衣装も

『光る君へ』人気は、婚礼衣装の世界にも影響を与えているらしく、福岡のブライダル業者からは、『光る君へ』のポスターなどで吉高由里子さんが着用している袿をつくってほしいとの依頼が。そこで、写真などを参考に、同じような袿姿一式を制作。柄本佑さんが着た赤の武官束帯を模した男性用の装束もあわせて作成し、喜ばれたそうです。

金の鳳凰が華やかな袿と赤の束帯は、昨年5月に京都・平安神宮で行われた『光る君へ』の取材会で二人が着用していたもの。そのときの写真と福呂さんが制作したものを見比べても、素人目には違いがわからないほどそっくりに仕上がっています。(ドラマの衣装では淡いクリーム色だった地色は、依頼主の希望で薄紫にかえたそうです)

赤の束帯は、若き日の道長がドラマのなかで何度も着用していましたし、鳳凰柄の袿は、まひろが定子や一条天皇と対面したときに、女房装束の表着(うわぎ)としても着ていたように思います。

というわけで、これを着たカップルは、『光る君へ』の世界に飛び込んだような気持ちになるはず。結婚式のお色直しで平安装束を選ぶというのも、なかなか個性的で素敵だと思います。

『光る君へ』まひろと道長の衣装を模した貸衣装。ブライダル業者「山田屋」の依頼で福呂さんが制作した (提供・山田屋)

もちろん、「雪月花苑」にも、正装の束帯、准正装の衣冠(いかん)、そして冠直衣など、本格派の男性用装束が揃っています。好みの色を選べる冠直衣が、とりわけ人気が高いとのこと。こうした装束に袖を通せば、光源氏、あるいは藤原道長になった気分が味わえるのではないでしょうか。