古田新太
「干渉も強制もされたくないから、しない。そのほうがストレスを感じないし、怒ることもないじゃないですか」

実際は破天荒ではなく、気遣いの人

役柄では破天荒な人物を演じることの多い古田さんだが、ご家族との関係は良好で、娘さんは必ず全舞台を観劇に来るという。古田さんの私生活や人間関係の極意とは。

こう見えて、実は破天荒ではないんですよ。それが、人生を歩む上での自分の強みかな。すごく人に気を遣うタイプです。だから、飲み屋で揉めたことがない。人のグラスの下の水滴とかも、気になってすぐ拭いちゃう。グラスが空いてたら「もう1杯飲む?」って聞くし、「もういいです」と言われたら「よし、じゃあ帰ろう。お勘定」となる。

完全に個人主義なので、劇団で稽古や本番をやっていても、終わったら勝手に1人で飲みに行っちゃう。その日行く店を聞かれれば答えるけど、そのぐらいかな。「飲みに行こうよ〜」っていうのも絶対嫌だし、一緒に飲んでいて帰ろうとすると「帰んなよ」っていうやつも嫌い。「帰りたいんだよ、オイラは今」って。あと、「もっと飲めよ」とか言うやつも大嫌い。オイラのペースで飲んでるのに、ほっといてくれよって思うね。

家族関係でもこれは同じで、みんな個人主義。たとえば、旅行の途中で道の駅とかに行くじゃないですか。入った瞬間に、妻、娘、自分の3人ともバラバラに分かれます。14時にあそこの店に集合ね、みたいな感じで。何も干渉しないし、お互いに何をしていようがおかまいなしです。

干渉も強制もされたくないから、しない。そのほうがストレスを感じないし、怒ることもないじゃないですか。だからこそ、家族関係も良好なんだと思います。