仏壇の使い道
当初仏壇は招魂抜き(※2)をしていなければ処理をすることはできないといわれたので、母方の檀那寺(※3)に電話して、御院さん(※4)に相談。
「弔いあげも終わってるし、そのままゴミ焼却場にもっていっても問題ないですよ」とのことなので、お墨付きをいただいて無事、仏壇はただの粗大ゴミとして処分してもらうことになった。
Fさん曰く、昔の仏壇は金箔や高価な金具などが使われていて、外国人にインテリアとして人気なのだそうで、「インテリア……なにに使うんだろう」「うちの仏壇が、なんか海外のおうちでコーディネートされるかもしれないんだな」などと思うと家族そろって遠い目になった。
ちなみに、うちは至ってシンプルな仏壇だったのだが、宗派によってはきらんきらん、しゃらんしゃらんな金具などの細工もあるため、バラバラにしてアクセサリーなどに再利用されることもあるそうだ。
まあ、それをいうなら、我々も聖書とか、磔刑像とか教会の燭台とかインテリアとして飾ってるしね。
※2 招魂抜き
仏壇を動かしたり処分したりする前に行う儀式。読経によって魂を宿らせていた仏壇や位牌などに再度、読経を行い、魂を抜く儀式とされている。
※3 檀那寺
自身が帰依する特定の寺院。つまり檀家となって支援している寺院のこと。
※4 御院さん
寺院の人のこと。住職の呼称「ご院主様(いんじゅさま)」の略称。
※本稿は、『私の実家が売れません!』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
『私の実家が売れません!』(著:高殿円/エクスナレッジ)
郊外築75年、大量のガラクタ、恐怖の再建築不可物件……。
残された実家は超問題だらけ!!
笑いと涙、前代未聞の実家じまい本!