適材適所でチームが強くなる

竹内今年もとても暑い夏でした。そういえば、夏の甲子園では、初めて午前と夕方の「2部制」が一部日程で実施されていましたね。高橋さんは、現役時代に何か暑さ対策はしていましたか。

高橋僕の現役時代は、ありがたいことにホームが東京ドームだったので、気温に左右されることなくプレーできました。昔は厚手のユニフォームをしっかり着て、真夏の炎天下や屋外のビジター球場で練習したりするのが当たり前でしたが、今はユニフォームの素材も進化していますし、練習時間の短縮や給水など、選手がダメージを受けないよう対策されています。

竹内普段の生活では、何か工夫していますか?

高橋うちの家族はみんな暑がりで、夏はエアコンが欠かせません。一方で節電も必要だと思うので、サーキュレーターで空気を循環させたり、設定温度を上げたり、できるだけ調整しています。それにしても毎年暑さが増していますね。

竹内この夏もエアコンを使わない室内で熱中症になったり、命に関わる事例が見受けられました。

高橋エネルギー関連のニュースで、地球温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)の削減が必要という話をよく耳にします。日本の状況はどうなっているのでしょうか。

選手の個性のバランスもチームスポーツの醍醐味です

竹内国は2050年までに、カーボンニュートラルといって、CO2の排出量を、植物が吸収したりする量と同じレベルまで引き下げて実質ゼロにしよう、という目標を掲げています。その達成のためにも、太陽光や風力などの再生可能エネルギーや原子力発電といった、発電時にCO2を出さない発電方法を増やしていくことが必要なんですね。

高橋発電と聞いて、昔修学旅行で、水力発電所のダムを見学したことを思い出しました。

竹内昔は水力発電が主流でしたが、今は電力量の約7割を火力発電が担っているんですよ。電気を安定供給するためには、気象条件の影響を受ける再生可能エネルギーをカバーし、発電量を調整できる火力発電が不可欠ですし、原子力発電も大きな役割を担っています。日本は資源の少ない国なので、複数の発電をうまく組み合わせてバランスを取る「エネルギーミックス」が重要になるわけです。

高橋バランスという点では野球に通じるものがありますね。先発の9人には役割分担があり、ベンチには代打要員や走塁のスペシャリストがいる。さまざまな特徴のある選手がかみ合ったチームは、やはり強いですから。

竹内なるほど。それもチームスポーツならではの醍醐味ですね。