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浮気した夫をどう迎え、どう向き合うのか。妻としての「正解」はない。裏切りが判明した後の、3人の妻たちの選択は? 1人目の吉田さん(仮名)は、意を決して浮気相手に会いに行ってーー(取材・文=亀山早苗)

目が覚めても夫が帰った気配がない

栗色のショートカットが似合う吉田圭子さん(53歳・仮名)は、小走りに待ち合わせ場所に現れた。「元気印と言われる」という明るい笑顔が弾けている。結婚して20年が経った5年前、2歳年下の夫が浮気しているのを知った。

「それ以前は子育てとパートと家事に忙しくて、夫のことにまで気が回らなかったんですよね。夫は外資系の会社に勤めているので、もともと時間が不規則。私は午後11時には寝てしまう生活で、正直言って不倫されていたのもわからなかった」

おかしいと気づいたのは、朝、目が覚めても夫が帰った気配がない日が続いたこと。どんなに遅くなっても一度帰宅して出勤するのが習慣だったからだ。聞くと、「会社に泊まった」と言うのだが、それも不審に思えてならなかった。

「スーツのポケットに女性の名刺があったんです。その後、夫の携帯を見たら、トークアプリを使ったやりとりが腐るほど出てきました。絶対浮気してる。完全に“クロ”でした」

圭子さんが吐き捨てるような口調になる。当時の怒りが蘇ったようだ。スナックを経営する女性とのつきあいは2年に及んでいた。圭子さんは意を決して女性に会いにいった。

「その女性がけっこういい人で(笑)。こちらは怒鳴り合い覚悟だったのですが、涙を流しながら謝られて、かえってもやもやが募りました」

彼女から夫に伝わったのだろう。その後、夫は帰宅するようになった。

「だけど私の心は収まらない。この人、なんで何ごともなかったかのように振る舞えるんだろう」