顔を洗う
顔を洗う女房たち

中宮彰子に仕える女房たちの局と日常

藤壺の北側にあるのが女房たちのバックヤード。約2間角の部屋が一列に並んでいる。
まひろが中宮彰子の教育係として女房になり、出仕したことにより、ドラマでは女房たちの日常を知ることができる。

このドラマが始まった時、私の友人が「平安貴族はすごい。吹き抜けの住まいで冬は寒さに耐えたのね」と言った。私は「館の何処かから雨戸を運んできて閉めるのかもしれない、体力がいるね」と答え、知識のなさに今は恥じ入っている。

ドラマを見れば、住まいが吹き放しでないことが分かる。蔀戸(しとみど)というのがあり、朝は蔀戸を屋根の方に上げ、夜は下げて閉めるのである。
女房たちの局(部屋)は、引物や壁代で仕切られ、2人で使用している。
各部屋の外にある廊下の部分は細長い部屋として使われ、「廂」(ひさし)と呼ばれ、化粧スペースや着替えスペースがある。

蔀戸を上げる
蔀戸を上げる

平安時代の絵巻は「吹抜屋台(ふきぬきやたい)」という特徴的な構図で描かれている。天井がなく上から見た絵である。ドラマの撮影ではその絵巻のように、室内の様子を俯瞰する構図をイメージし、ドローン撮影ができるようにした。