美術チームの熱量がひしひしと伝わる
私は美術館に行くのが好きだ。現代まで保存されてきた昔の香炉や調度品などを目の前にすると、あまりの品格にもっと近づいて見ようとして、厚いガラスで遮られていることを忘れ、ガラスにおでこをぶつけた経験が何度もある。
『光る君へ』では、衣装はもちろん調度品が気になり、NHKプラスで見直し、「こりゃ凝っている。美しい」と独り言を言っている。俳優さんの傍や背景にあり、少ししか画面に映らなくても、完璧な雅の世界を作り上げたいという美術チームの熱量がひしひしと伝わってくる。俳優さんたちもその中にいて、平安時代の人になりきっているのだと、私は勝手に思って見ている。
美術チームが作り出した世界を、解き明かしてみよう。