2025年、芸能生活60周年を迎えた歌手五木ひろし氏が、この春、新曲を加えた新たなCDを発表する。1965年に「松山まさる」としてデビュー。「一条英一」「三谷謙」等と芸名を変え、「五木ひろし」として「よこはま・たそがれ」でデビューしたのが1971年(昭和46年)。つまり今年は「五木ひろし」のデビュー55周年にあたる。
『「よこはま・たそがれ」から55年 五木ひろしアニバーサリーコンサート』と銘打ったツアーが、1月から愛知県を皮切りにスタート。まだまだ進化に意欲を見せる五木ひろし。そのパワーの源は、どこにあるのだろうか―――
(構成:吉田明美)
「あさきゆめみし」は久しぶりの女歌
4月には3曲入りのCDを発売します。意欲を持つ、なにかやろうとする気持ちを持ち続けるって、一番大事なことだとつくづく思ったんです。自分に負けない、人生をあきらめない、チャレンジを続ける、ということですね。そのためにも、僕は新曲も出していきたい。そういうやる気がまだまだ心の中にあるということを確信しました。
新曲を作って、レコーディングをして、自分の音を聞いたりすると、「ああ、まだレコーディングができる」「まだ声が出てる」と確認ができるんです。
ただ、レコーディングは音の微調整ができますよね。今は技術が進化しているのでかなり作りこむことができると思います。一方でそういう調整なしでチャレンジする場がステージなんですよね。まったく調整しないでお客さまの前で歌えるかどうか、いかにライブでやれるか、ここも挑戦なんです。
今回の3曲のうち、「あさきゆめみし」は久しぶりの女歌です。作詞は、坂本冬美さんの「夜桜お七」でも知られている歌人の林あまりさんで、曲は僕が書きました。これ、実は2004年のアルバムに入っている一曲だったのですが、ずっと気になっていたんです。あらためて聴いてみたら、歌詞がかなりきわどい内容なんですよ。林さんは歌人だけあって、情景の描写が作詞家の表現とは少し違う。たとえば作詞家なら「目を閉じてあと少しだけ」というところも、歌人の林さんは「目を閉じてあと十五分だけ」という言葉を選ぶことで、聴く人の想像力をよりいっそう掻き立ててくれます。
僕はここ数年、母への想いだったり、人間愛といったことを表現する歌が続いていて、色っぽさに欠けていた。だから今回は久しぶりの艶っぽい五木ひろしを感じていただけたらと思います。
