現在放送中のNHK連続テレビ小説『風、薫る』(総合、毎週月曜~土曜午前8時ほか)は、一ノ瀬りんと大家直美の2人の主人公が、困難を乗り越え、看護師(トレインド・ナース)となって活躍する姿を描くバディドラマです。上坂樹里さん演じる大家直美のモチーフとなっている鈴木雅とは、どんな女性だったのでしょうか。
ドラマの原案『明治のナイチンゲール 大関和物語』で、もう1人の主人公として雅を描いた田中ひかるさんが、その来歴と、引退後の知られざるエピソードを紹介します。
なお、『風、薫る』は原案を大幅にアレンジしたオリジナル作品であるため、本記事や原案本をお読みいただいてもネタバレにはなりませんので、ご安心ください。
ドラマの原案『明治のナイチンゲール 大関和物語』で、もう1人の主人公として雅を描いた田中ひかるさんが、その来歴と、引退後の知られざるエピソードを紹介します。
なお、『風、薫る』は原案を大幅にアレンジしたオリジナル作品であるため、本記事や原案本をお読みいただいてもネタバレにはなりませんので、ご安心ください。
夫・鈴木良光とのなれそめは箱館五稜郭?
『明治のナイチンゲール 大関和物語』は、書名にこそ鈴木雅の名前はありませんが、和と雅、2人の人生を軸に近代看護の黎明期を描いた物語です。実際のところ、雅がいたからこそ、和も十分に活躍できたのだと思います。
同書は、史実にもとづいたフィクションですが、雅の経歴や居住地については、同居していた身内の方々によって、正確な情報が残されています。この記事は、それらを大切に守ってきた曾孫さんをはじめとするご親族の方々のご協力により書いています。
鈴木雅は幕末の1858年2月9日(安政4年12月26日)に、旗本の加藤信盛とその妻トヨの長女として、江戸で生まれました。その後、妹と弟が生まれます。
雅が10歳のとき、幕府と新政府との間で戊辰戦争が起こり、信盛は幕府側で参戦します。各地を転戦し、最後の激戦地となった箱館では、五稜郭に立てこもって戦いました。このとき、のちに雅の夫となる18歳の鈴木良光も、旗本の父、鈴木良右衛門とともに、五稜郭で戦っていました。信盛は、良光の戦いぶりを見て娘の結婚相手として見込み、将来の約束を交わしたのかもしれません。このドラマチックな想像は、雅のご親族の方々からうかがいました。
戊辰戦争後、信盛は徳川の家臣たちの多くとともに、静岡へ赴いたと考えられます。良光は幕府軍を率いた榎本武揚の推薦によって、陸軍に採用されました。良光の父、良右衛門は、千島列島へと逃れ、帰農したと伝えられています。
大河ドラマになりそうな彼らの波乱の人生については、雅の実家、加藤家のご子孫の方が、現在精力的に調査を行っています。