スケバン刑事に救われた
久保 みんなは今年、どんな1年だった?
能町 急に大きなまとめが来ましたね(笑)。
ヒャダ 僕はけっこう大きな年でしたね。
──どういうところで?
ヒャダ やっぱり『スケバン刑事』(*)との出会いが。
*ドラマ『スケバン刑事』シリーズにすっかりハマり、その余波で桜の代紋が入ったヨーヨーも購入。
能町 『スケバン刑事』、そんなに大きかったんだ。
ヒャダ でかかったです。ちょっと中年の危機というか、新しいコンテンツに触れるのがしんどくなってきてたんですよ。「自分も業界の端くれにいるから、新しいコンテンツを見ないといけないのかな」と思うんだけど、それがだんだんしんどくなってきて、「みんな新しいものを頑張って作ってるな、それに比べて自分は……」みたいなマインドにもなってきて。そんなときに『スケバン刑事』見たら、もうそんなマインド全部忘れられたんですよ。純粋に「楽しい!」で終われるので。こないだ友近さんとご飯食べたんですけど、そしたら友近さんも「最近はやりたいことしかやってない」と言ってて。昔のことを今に焼き直すようなことを。
──YouTubeで2時間サスペンス風ドラマ(*)やってましたね。
*YouTubeチャンネル「フィルムエストTV」で公開された、友近サスペンス劇場『外湯巡りミステリー・道後ストリップ嬢連続殺人』。2024年末にはBS朝日でもオンエアされた。
ヒャダ そうそう。そういうのをやってるんで、「自分もそれでいいんじゃないか」と思い始めまして。2025年は昔のものばっかり見ようと思ってます。
能町 みんなうまいことやってるじゃないですか。
久保 不満のほうはなにかある?
ヒャダ 家が寒い。一軒家なんで、1階が寒い。お風呂場が寒い。
久保 そりゃヒートショック、気を付けなきゃ。
ヒャダ でしょ? だからお風呂場にヒーター入れて温度を上げてから入るようにしてます。死にたくないんで。
久保 でもほんとに死なないための全力努力をしないといけない状況に、年々なってきてる。いま思うと、若い頃の趣味って「生死の境をさまよっても俺は生き残れるぜ!」というのを楽しむようなやつが多かったじゃん。サウナだってそうじゃない?
ヒャダ 言ってみれば、血圧遊びですからね。あとスキーやスノボも……。
久保 そう。スキーやスノボも、一歩間違えば即死の世界じゃん。なんであんなにみんなやってるのか。私はピラミッドの頂上でそれを感じたんだよね。
能町 そんなところに行ったんですか?
久保 メキシコ行ったときに、ピラミッドの頂上(*)に登ったら、何の柵もなかったんですよ。
*世界遺産の「テオティワカン遺跡」にある「太陽のピラミッド」は、高さが65mあり(ビルで言うと21階相当)、登れるピラミッドとして世界最大を誇る。
能町 怖い。
久保 落ちたら絶対即死なのに、小さい子供がピラミッドの頂上でキャッキャはしゃいでるの。「おい、死ぬぞ!」と思ったんだけど、「私がもし小中学生だったら、ウェイウェイ言ってはしゃいでるな」とも思ったんだよね。でもそのときは「一歩間違うと死ぬ場所にいる」という意識が強くて、本当に怖くなっちゃって。「なんでこんなところで、みんな平気で観光できるんだろう?」と思った。海外旅行で人生観を一番変えられた場所は、メキシコのピラミッドの頂上かもしれない。いつだってあのときの怖さを思い出せる。
能町 私、インスタ動画でパルクールを見るのが好きなんですよ。
ヒャダ パルクールも生死の境ですよね。
能町 街中をトントントントンッて行くやつはいいんですよ。でも中には超高層ビルでそれをやってる動画があって。
ヒャダ ビルの屋根 to 屋根ですよね。
能町 そうそう。失敗したら絶対死ぬようなことを平気でやってるんですよ。で、関連動画をいろいろ見てたら、やっぱりとんでもない場所でパルクールをやってるんだけど、「実はCGでした」みたいなタネ明かしが出てくる動画があって。それ見たらもう何も信じられなくなった(笑)。他のパルクール動画まで「実は嘘だったんじゃないか?」と思いながら見るようになっちゃいましたね。