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代表作の〈星座〉シリーズ3点が出品
1893年、スペイン・カタルーニャ州に生まれたジュアン・ミロ(1893~1983)。
彼の作品には、潜在意識や子どものような精神、故郷への愛着が反映され、明るく楽しげな絵柄が人々を惹きつけます。しかしその背景には、当時の政治的・社会的状況への強い感受性と反骨精神があったとされ、創作の原動力にもなっていたそうです。
没後40年を迎え、彼の作品や業績を20世紀の美術史に位置付ける機運の高まりを受けて、世界の美術館で回顧展が開かれています。
東京都美術館で開催される本展には、各時代を代表する名作の数々が世界中から集結。ミロの70年にわたる創作活動全体を振り返る大回顧展となっています。
初期作品からミロの本質まで
ミロの初期の名作として知られる『ヤシの木のある家』は、1918年の夏にモンロッチで描かれた、細密な風景画のひとつです。この作品を皮切りに、風景を緻密に描写する作風は22年頃まで続きます。
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20年、ミロは初めて芸術の都パリを訪れ、シュルレアリスム(超現実主義:現実を超えた世界――潜在意識や夢の中に存在する真実を表現しようとする試みのこと)の画家として名を知られる存在となりました。28年頃からは非芸術的な要素を用いたコラージュ作品を制作し、伝統的な絵画表現から離れることを試みるように。『オランダの室内Ⅰ』は、17世紀のオランダの画家、ヘンドリック・ソルフの『ソリュートを弾く人』をもとに描いた作品で、原作の自然主義的な立体感や遠近法をなくし、思い通りに変形させています。
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36年にスペイン内戦が勃発すると、戦争という現実から目を背けるように、ミロの作品は文学や音楽に触発された詩的なものへと変化していきました。そして第二次世界大戦が勃発した翌40年、彼は滞在していたフランスの小村で〈星座〉シリーズを描き始めます。
本展では、ミロの作品群の中でも傑作との呼び声高いこの〈星座〉シリーズ全23点のうち、3点が集結します。現在、シリーズの各作品は世界中に散らばっており、複数の作品をまとめてみられる機会は貴重です。
夜空に着想を得た神話的な世界の中に描かれるのは、女性や鳥、星、はしご。これらのモチーフはその後の作品でも繰り返し登場し、ミロの絵画の象徴となりました(『明けの明星』)。
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47年に初めてアメリカを訪れ、60年代にはアメリカの若い芸術家たちの影響を受けたミロは、より大画面の作品を制作するようになります。技法としても、バケツや壺から絵の具をこぼしたり、描いたカンヴァスにガソリンを染みこませて火を放ったり(『焼かれたカンヴァス2』)ナイフで切り取ったりと、伝統的な絵画技法に抗った表現に次々と挑んでいきました。そしてその探求は、83年に90歳で亡くなるまで続いたといいます。
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生涯にわたり新たな表現に挑戦し続けたミロ。その70年を一挙に振り返ることができる貴重な機会となっています。ぜひあなたの目で、彼の創作活動のすべてをご覧ください。
【応募締め切り日】3月14日(金)
※当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます(3月下旬頃予定)
ミロ展
会期:2025年3月1日(土)〜7月6日(日)
開館時間:9時30分~17時30分、金曜日は20時まで(入室は閉室の30分前まで)
休室日:月曜日、5月7日(水)※ただし、4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開室
会場:東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)
JR上野駅「公園改札」より徒歩7分、東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅「7番出口」より徒歩10分、京成電鉄京成上野駅より徒歩10分
※駐車場はありませんので、車でのご来場はご遠慮ください。
観覧料:一般2,300円、大学生・専門学校生1,300円、65歳以上1,600円、18歳以下・高校生以下無料
※大学生・専門学校生は、3月1日(土)~16日(日)に限り無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料
※18歳以下、高校生、大学生・専門学校生、65歳以上の方、各種お手帳をお持ちの方は、いずれも証明できるものをご提示ください
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、ジュアン・ミロ財団、朝日新聞社、テレビ朝日
協賛:DNP大日本印刷、竹中工務店、関電工
協力:スペイン大使館観光部、カタルーニャ州政府観光局、日本航空、日本貨物航空、ルフトハンザ カーゴ AG
特別協力:FCバルセロナ
後援:スペイン大使館、インスティトゥト・セルバンテス東京、J-WAVE
●公式サイト:https://miro2025.exhibit.jp/
●お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
※本展の他会場への巡回はありません
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