選手生活のお別れ

観客席に座る元木さん
野球の鬼だった元木の父(左)

まさかこんなに突然、選手を退く日がやってくるなんて。

前にも書いたことがあるが、
私はこれまでどの「卒団式」でも泣いたことがない。
野球が大好きで大好きで仕方ない息子たちが、次の新しい野球へ進むことへの期待の方が大きすぎて、楽しみすぎて、
卒団式という式典で一瞬でも涙を流そうという気持ちを、ゆうに上回ってしまうからだ。

だが今回は、突然そんな選手生活に「お別れ」がきてしまった。

以前からよく言うように、私は毎週ひーひーゼイゼイ、大変だ大変だと言っている割に、実際に打ったり投げたり、野球をやっているわけではない。
全然たいへんな思いをしていない。キツイきつい野球の練習や試合をやっているのは、息子たちなのだ。

だからそれぞれ野球を辞める時は誰がなんと言おうと自分で決めなさいよ。そう思っていた。
でもそれは、違っていた。
野球は必ずしも自分だけで決心して、始めたり辞めたりできるものでもなかったのだ。