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「本当におしまい」と言っていたにもかかわらず続篇が出て、さらには『婦人公論』で連載が始まった
101歳を迎えた作家の佐藤愛子さん。100万部突破の『九十歳。何がめでたい』(2016年、小学館 )をはじめ、ユーモアエッセイで長く人気を博しています。百寿者とは思えぬ仕事ぶりの一方で、家族からみた佐藤愛子さんの姿とは。孫の杉山桃子さんがコミックとエッセイで描く『婦人公論』の新連載「うちのばあさん101歳」。第1回目は「はじめまして」。
私の祖母、佐藤愛子
私の祖母であり作家の佐藤愛子は、随筆集『思い出の屑籠(くずかご)』を最後に筆を置いた。
小説『晩鐘』を書き終えた時に「筆を置く」と言っていたが、気づけば『九十歳。何がめでたい』を書き始め、「本当におしまい」と言っていたにもかかわらず続篇が出て、さらには『婦人公論』で連載が始まった。
「このばあさん、いつになったらやめるんだ……?」と半ば呆れていたところ、その時はやってきた。認知症である。