「高額療養費制度」も忘れずに

他にも、今、負担が増えることで議論されている「高額療養費制度」を忘れないことです。先日、筆者の父が入院、手術をしましたが、高額療養費の申請を忘れていました。

長期でがんなどの病気になった場合、数十万円から数百万円と高額な医療費を払わなければなりませんが、この制度を利用すると一定の限度額まで払えばいいのです。この限度額を超えた分は申請すれば戻ってきます。その限度額は年齢が70歳以上かどうか、また年収によっても異なります。

例えば、70歳以上で年収156万円から370万円の層では、入院・外来で1ヵ月の限度額が5万7600円で、これ以上負担がある場合は、申請すれば戻ってきます。
また、長期治療のため、毎月続けて払っている場合、4ヵ月目から半分ほどに減らすこともできます。

月をまたぐと損することもあります。また、70歳以上75歳未満の場合は、外来だけでも年収156万円から370万円の層では、1万8000円の限度額が設定されています。年収によって異なりますので市区町村の国民健康保険係や協会けんぽか健康保険組合に確認してみましょう。

『共働きなのに、お金が全然、貯まりません!』表紙
『共働きなのに、お金が全然、貯まりません!』（著：柏木理佳／三笠書房）
すべての写真を見る

さらに加入している生命保険にも保険金の申請を忘れていました。生死をさまようような深刻な病気の時は、アタフタとしていて、お金のことどころではありません。忘れないように、病院で渡す保険証と一緒に加入している保険会社の名前を明記したり、病気になったら請求する電話番号やパンフレットを壁に貼っておいたりするといいかもしれません。

高額療養費制度を利用した場合でも、確定申告には、実際に支払った金額を申告することになります。