新之助との再会

「将軍を継げる男子(おのこ)がおらぬとは!」との声を背景に、何かを凝視しながら思案する<御三卿>のひとつ一橋徳川家の当主・一橋治済。

驚いた様子を見せる田沼意次。

冷たい笑みを含んだ表情で「いつお目通りできますか?」とたずねる佐野政言。

「もう返せぬのです!」と告げる意次の嫡男・意知。

かつて女郎・うつせみと足抜けをした小田新之助が、笠の下から「蔦重」と呼びかける。