巡回なし! 兵庫県立美術館のみの展覧会

フランスとアメリカの地で、それぞれ“日本人移住者の画家”としての道を歩んだ藤田嗣治(1886~1968)と国吉康雄(1889~1953)。
ともにフランスに滞在した1925年から100年目を記念に兵庫県立美術館(兵庫・神戸市)で特別展が開催されます。巡回なし、兵庫県立美術館のみの展覧会です。
それぞれの作品を対比させながら通覧する全9章構成で、油彩画を中心とした約120点のほか、直筆の書簡などの資料も多数出品。国内の主要コレクションから代表作が一堂に会する、必見の展覧会です。

国吉は1906年、16歳で労働移民として渡米します。ニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグで研鑽を積み、初期作は東洋的画題と西洋的技法の融合した独自の作風で注目を集めるようになりました。
一方13年、26歳で渡仏した藤田は、乳白色の下地による裸婦のスタイルを確立し、パリのサロンで数々の作品を発表しました。

ふたりの接点は、国吉が1925年に友人の画家・パスキンに勧められパリを訪れたことから始まります。28年、国吉は再度パリに滞在。そして30年の秋、今度は藤田がニューヨークでの個展のために渡米し、ふたりが交流したことが記録からわかります。

1930年初頭になると、藤田はパリを離れ、日本に定住することに。軍国主義化する母国で、作戦記録画の制作に力を注ぐようになりました。
一方の国吉はアメリカの地で、敵国の市民として行動制限を受ける中、軍国主義を批判する活動や制作に取り組みました。
日本で軍部からの注文を引き受ける藤田と、アメリカで民主主義を信じて制作を続けた国吉。日米開戦を機に、ふたりはまったく異なる道を進むことになったのです。

そして戦後、藤田は渡米し、ニューヨークに約10ヵ月間滞在します。その間に充実した個展を開催しますが、国吉が藤田の個展会場に足を運ぶも、ふたりの再会はありませんでした。

本館の前身である兵庫県立近代美術館では、ふたりそれぞれの個展を開催してはいますが、本展は双方の作品をまとめて鑑賞できる貴重な機会です。
戦争に翻弄されながらも制作を続けたふたりの、並行した軌跡を辿ってみてはいかがでしょうか。

藤田嗣治《二人の祈り》 1952年 名古屋市美術館 ©Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2025 E5974
国吉康雄《夢》 1922年 石橋財団アーティゾン美術館

 

【応募締め切り日】6月12日(木)
※当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます(6月下旬頃予定)
 

■開催概要
特別展「藤田嗣治×国吉康雄:二人のパラレル・キャリア―百年目の再会」
会期:6月14日(土)~8月17日(日)
開館時間:10時~18時 ※入場は17時30分まで
休館日:月曜日(7月21日、8月11日は開館)、7月22日(火)、8月12日(火)
会場:兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1【HAT神戸内】)
≪アクセス≫
阪神電車「岩屋」駅(兵庫県立美術館前)から徒歩約8分、JR神戸線「灘」駅 南口から徒歩約10分、阪急電車神戸線「王子公園」駅西口から徒歩約20分
神戸市バス「三宮駅ターミナル前」または「阪急王子公園」で乗車、「県立美術館前」下車
観覧料:[当日券]一般2,000円、大学生1,200円、70歳以上1,000円、高校生以下無料
※障害者手帳をお持ちの方:一般500円、大学生300円
※障害者手帳等をお持ちの方1名につき、介助者1名無料
※コレクション展は別途観覧料が必要です(本展とあわせて観覧される場合は割引があります)

主催:兵庫県立美術館、毎日新聞社、MBSテレビ、神戸新聞社
協賛:公益財団法人伊藤文化財団、DNP大日本印刷、大和ハウス工業、公益財団法人日本教育公務員弘済会 兵庫支部、一般財団法人みなと銀行文化振興財団
特別協力:公益財団法人福武財団
企画協力:株式会社キュレイターズ
協力:岡山県立美術館、岡山大学大学院教育学研究科《国吉康雄記念・美術教育研究と地域創造講座》
助成:一般社団法人安藤忠雄文化財団、公益財団法人カメイ社会教育振興財団、公益財団法人戸部眞紀財団

●公式サイト:https://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_2506/index.html
●お問い合わせ:078-262-1011

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