名作はキャラクターが素晴らしい

少し自慢話みたいになってしまいました。ごめんなさい。

さて、物語は良いキャラクターを作れば自然にできてきます。みなさんがテレビドラマやお芝居を見たり、本を読む時に、なぜそれが面白いか考えてみてください。

答えの一つはキャラクターです。キャラクターが成功している場合は面白いんです。キャラクターがうまくできれば、お話は面白くできていく。ですからキャラクターは重大なんですね。今までも名作と言われているものは、キャラクターが素晴らしいものが多いです。

池波正太郎が書いた時代小説の名作『鬼平犯科帳』だって、放火や凶悪犯を取り締まる火付盗賊改方の主人公長谷川平蔵に対抗してキャラクターが動き始める。全部で135作も続いています。そうしてお話ができていくということなんですね。

※本稿は、『新装版 わたしが正義について語るなら』(ポプラ新書)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
『あんぱん』モデル・やなせたかしが語る<悪役だけれど愛嬌があるばいきんまん>「悪を見破るのは難しい。悪いものは、いかにも悪い感じで現れるとは限らない」
『あんぱん』モデル・やなせたかし「54歳で絵本にするも<顔を食べさせるなんて残酷だ>と苦情が届いたアンパンマン。自信をなくした時に認めてくれたのは…」
『あんぱん』モデル・やなせたかしが<アンパンマン>に託したもの「アメリカのスーパーマンやスパイダーマンは悪い奴をやっつけるけど、餓えた人を助けに行くとかは全然やらない。だからぼくは…」

新装版 わたしが正義について語るなら』 (著:やなせたかし/ポプラ新書) 


正義とは何で、正義の味方とはどのような人なのか。戦争を生き抜き、国民的ヒーロー「アンパンマン」を産みだしたやなせたかしが、その半生を通じて向き合った「正義」のあり方とは。
混迷の時代に生きる勇気をもらえる、やなせ流の人生哲学。